《28》 ページ30
そういえば、と思い幻太郎に話しかけた。
『ね、げんたろー』
幻太郎「何ですか？」
『げんたろーは、にぃにのことどのくらい知ってるの？』
幻太郎「！...そう、ですねぇ...
余の耳が正しく聞き取っているならば、乱数は自分のことについて全てを余に聞かせてくれたぞ」
『！？』
兄が幻太郎に全てを話した？
だとしたら、私のことを知ってる？
幻太郎「まぁ嘘ですけど」
『えっ！？』
幻太郎「...乱数は隙が全く無いんです、知ろうとしてもすぐに距離を取られてしまって
乱数は"ポッセ"と小生たちを呼び、親しくしてくれるのは確かですし事実です。
けれど何処か、胡散臭いというか。そうやって何かを隠している気がして仕方ないんです」
『...』
なんだ、この人たちはまだ知らないのか。
そりゃそうだ。
言ったところで解決しないし、兄も他人と無理に関わろうなんて思ってないんだろう。
でもひとつ分かった。
幻太郎という人物は、人を、行動を、仕草や心をよく見ているということ。
『...あ、あのげんたr』
乱数「あー、もう！全然まとまんなーい！」
兄が部屋から出てきた。
デザインが纏まらないらしく、ソファーにダイブした。
『に、にぃに...』
幻太郎「珍しいですね、乱数」
乱数「あれゲンタロー？なんだ、来てたんだ」
幻太郎「えぇ、少々執筆に息詰まりまして」
幻太郎も兄も、仕事で息詰まってる。
公園とか外の空気吸えば多少は捗ると思うけれど、そういうことでもないのか？
仕事ってよくわからないな。
乱数「あ、そうだ！」
閃いたように言う兄。
兄の視線は私に向いていて、ニコッとしている。
何か嫌な予感がする。
乱数「ちょ〜っとだけでいいから、モデルになって♡」
『...やだ』
乱数「えー、なんでー？」
『疲れる』
乱数「あははっ☆
大丈夫だよ、二着か三着くらい着て欲しいだけなんだ〜...ダメかなぁ？」
分かりやすく目をウルウルとさせている兄。
これで仕事が捗りそうならいいけど。
ずっと着せ替え人形みたいにされる気がする。
『お仕事、捗りそうならいいよ』
乱数「絶対捗る！
Aにモデルして貰うとインスピレーションが凄く湧いてくるんだよね〜♪」
『...なら、いい』
少し照れくさかったけど、不思議と悪い気はしなかった。
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はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます！そう言って頂いて嬉しい限りです！ (2021年3月11日 16時) (
レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い！ 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はる猫Blood | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/
作成日時：2019年2月24日 17時
