《22》夢主のスピーカー&マイクのイメ画公開 ページ24
公園に来た。
木々の間を肌冷たい風が通り抜ける。
風は忽ち木の葉を揺らして、共鳴するように葉の音が周囲に広がる。
ここは街と比べて空気が澄んでいるからか、居心地がいい。
『ん〜...この時間は人がいないから楽だなぁ...
ヒプノシスマイクを遠慮なく出せる』
ブォン
ヒプノシスマイクを起動させる。
雪の結晶のスピーカーたちに、氷のマイク。
あの日を思い出すような私のヒプノシスマイクは、私を守り感情を言葉に乗せて相手に届けてくれる。
『...出したはいいけど、相手がいないんじゃ意味無くない...?』
冷静に考えてみるとヒプノシスマイクを使って練習してるの、傍から見たらやばい人だと思われてしまうかもしれない。
やめておこう。
私はヒプノシスマイクをしまう。
誰も見てなくってよかった。
ラップの練習だけしていよう。
そう思った時だった、遠くから「お〜い」という声が聞こえた。
その声をどこかで聞いた覚えがあった。
『...だいす?』
帝統「お前、乱数の妹の...Aだっけか?
こんなとこで何してんだよ」
『散歩』
帝統「子供が夜も更けねぇのに出歩くんじゃねーよ、送ってやっから帰ぇりな」
『...だいすは何してたの?』
そういう帝統はこんなところで何を?
少し帝統からする獣の匂い?が気になるけど
私だけ家に帰るのは不公平だ。
帝統「...寝てた」
『公園で?』
帝統「おう、この公園は俺がよく寝泊まりに使ってんだ〜」
『...』
このご時世に野宿...
なるほど、ホームレスというわけか。
この人はどうやって生きているのだろう。
『よく生きてられるね』
帝統「まぁな〜」
『...』
褒めてない。
心の中でそっと突っ込んだ。
以前兄が言っていたことを思い出した。
「帝統がどんな人か?
ん〜帝統はね〜、殺しても死なないような人かなぁ?あとすっごく面白いんだよ〜☆」
って。
今になって漸く理解した。
『...だいすはいつも楽しそうで羨ましいな...』
なんて、らしくもない言葉を、気付くと声に出していた。
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はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて嬉しい限りです! (2021年3月11日 16時) (レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い! 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/
作成日時:2019年2月24日 17時