《21》 ページ23
明るい夢を見た。
兄と一緒に手を繋いで
笑顔で
飴もシールも必要なくなっていて
自由だった。
『ん...』
目が覚めた。
やっぱり、あれは夢だったと絶望する。
現実ならばどんなに良かったことか。
気分を変えたくて体を起こす。
外はまだ薄暗い。
横には規則正しい寝息を立てる兄がいた。
私は起こさないようにそっと布団から出る。
『何しようかな』
することが何も無い。
何をしようか。
久々にラップの練習でもするかな。
家だと兄を起こしてしまうかもしれない。
私は机に手紙を置いて家を出た。
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乱数side
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目が覚めた。
気付くと隣で寝ていたはずのあの子はいなくなっていて、ドクンッと変な感覚に陥った。
よく分からなかった、その感覚をなんて呼ぶのかも。
「A...
A...!」
俺はとりあえずあの子の名前を呼んでみた。
だけど、返事がない。
家にいないのか?
気怠い体を起こしてリビングに行く。
「...手紙...?」
机の上に手紙が置かれていた。
内容を確認する。
「...
少し出掛けてきます...A...
こんな朝早くに用事か?」
子供のあの子が用事...
中王区が関わっている可能性があるな。
俺のことを報告しているのか
あるいは、ただの散歩...か?
「携帯...駄目だな、家に置いてある。
行き先くらい書いておけよ」
ひとまず事務所に向かうとしよう。
デザイン仕上げないといけないし。
あの子が書いた置き手紙の下の空白に、事務所って書いておけば分かるだろう。
prrrrrrrr...prrrrrrrr...
「...チッ...
あ、もしもしオネーさん?」
?「«お前に話がある、いつもの場所に来い»」
「はいは〜い♪
今から1時間後でいーい?」
?「«ふん、いいだろう。
では1時間後»」ピッ
俺と話だと?
俺は命令に逆らってもいない。
寧ろ、アイツらの言ったことを遵守して行動している。
なら、俺のことではない...?
...まぁ会えば分かるか。
にしても勘解由小路無花果とかいう女、何を考えているんだ?
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はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて嬉しい限りです! (2021年3月11日 16時) (レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い! 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/
作成日時:2019年2月24日 17時