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《20》 ページ22

『にぃに、わがままはメッ!だよ?』



乱数「うぅ...わ、わかったよぉ

ほら、早く帰ろ!」



寂雷「Aちゃん、また来てくださいね」



『うん!』



乱数「残念だけど、こんなジジィくさいとこなんてもう二度と来させないし連れてこないもんねーっだ!」









兄が大型犬に吠える小型犬に見えたけれど、言わないでおこう。


迎えに来てくれただけで嬉しかったから。


でも、心配でもあった。


朝のあの光景がずっと忘れられなかった。









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──────────
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『...お兄ちゃん、大丈夫なの?』



乱数「よくわかんないけど、だいじょびだよ〜」



『朝のも?』



乱数「朝?...あー...うん、大丈夫!

ねね、それよりさ!このケーキ一緒に食べない?

オネーさんに貰ったんだ〜☆」









話をそらされた。


私は諦めて、兄とケーキを分けて食べる。









『!...おいしい』



乱数「だね〜♪

次会ったら聞いておこ〜っと」









私の兄はおねーさんたちと仲がいい。


全然知らない人でも、初対面の人でも。


見た目が影響しているのか、あざとくしているその性格のせいか。


裏の顔を見れば皆逃げていくんだろうなぁ。


なんて、考えてしまう。









『ふぁ〜...』



乱数「眠い?」



『ん...』



乱数「も〜Aってば半分寝てるし...

ボクがベッドまで連れてったげるっ」









そう言うと、私を軽々と持ち上げる兄。


重くないのかな...


考えていると、すぐにベッドの上に寝かされた。









『ん〜...』



乱数「A...」



『なぁに?』



乱数「...んーん、なんでもな〜い」









兄も横で寝転ぶ。


ぎゅっとまた抱きしめられて、兄の匂いで包まれて、微睡んで安心する。


気持ちが落ち着いて、眠気に抗えない。


そのまま、私は意識を手放した。









乱数「...A...

ボクは...俺は、もう...」









命が削れていく。


少しずつ、着実に。


兄には時間が無いのだと、私は察した。


飴の効果が前よりも短くなってきている。


極めつけはあの吐血の量だった。


また同じことがあれば、私は中王区に乗り込むとしよう。


私が...私が助けるから。


大好きなお兄ちゃんを。

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はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて嬉しい限りです! (2021年3月11日 16時) (レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い! 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/  
作成日時:2019年2月24日 17時

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