プロローグ ページ2
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覚えてる、あの時の景色は...雪。
ネオンの光る街の風景に雪が降る、あの綺麗な光景は忘れられない。
そんな日に、私は捨てられた。
親には虐待を受けながらも、育ててもらっていた。
愛想もつきたのか、結果的に私はココにいる。
もう、2日何も食べていない。
口を開けて雪を口の中へ入れるけれど、すぐに溶けて消えてしまう。
満たされない飢餓感に寒さ、傷口が冷えて更に痛む。
頭がクラクラする、視界が歪む。
空気が冷たく、息をする度に肺が軋む。
路地裏に座り込んで、そこから見える景色を見た。
最期がこんな綺麗な景色で終われるなら、それもまたいいのかもしれない。
目を瞑って、来る最期を受け入れようとした。
その時だった、声がした。
?「ねぇ、君...こんなトコにいたら風邪引いちゃうよ?」
男より高い声だけど、女の声ではない。
だけど、私には一筋の光が射し込んだ気がした。
?「それに服もボロボロだし細っ...
...もしかして......
よっし、決〜めた!
今から僕と一緒に来ない?」
私をその手をとって、雪の夜の街へ消えた。
これが飴村乱数こと、私の兄との最初の出逢いだった。
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はる猫Blood(プロフ) - 由美子さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いて嬉しい限りです! (2021年3月11日 16時) (レス) id: 29336fe771 (このIDを非表示/違反報告)
由美子 - 可愛すぎて尊い! 私もこの妹の立場にいたらどんなに幸せなんだろ (2021年3月11日 15時) (レス) id: 6fa9dce11e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はる猫Blood | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/RcKHYu2S7c1/
作成日時:2019年2月24日 17時