頂点にとんで。Part1～I don't give up!!～ (ページ41)

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Story41　師匠の支えページ41

貴「もしもし、Aです」
稚『あっ、A? 聞いたよ、フリーくん。ニューヨークブルズ(うち)にくるらしいね』

僕はそれを聞いて思わず「うっ……」と漏らしてしまった。

貴「まぁ……」
稚『瑛斗さんから聞いたよ。Aも勧誘されたんだね。でも断るとか、マジAにしかできないよ～』

褒めるような言葉に、僕は少し照れて「そ、そんな……」とあわてて否定した。

稚『で、あの瑛斗さんとオーナーのことだし。A、なにか悩んでるでしょ』
貴「あぁ……はい、まぁ……」

なんでも話すよ、とさっきとうって変わって優しい声音に僕は我慢しきれず今までの悩みを打ち明けた。

貴「僕はニューヨークブルズにいったほうがいいんでしょうか……。
　ニューヨークブルズには師匠や紅、そして僕の自称兄の瑛斗さんがいる。そこに行けば僕の過去を知れる。
　けれどBCソルには大切にしたいっていう仲間がいる。バルトやクミチョー達……。クリスさんやトラッドさん、グロウさん……。
　今の僕はBCソルにいたいんですけど……、でも、ニューヨークブルズも……っていう状態なんです。
　フリーが行ってしまうとわかった瞬間(とき)、胸のあたりがこう……ぎゅぅぅって、縛られるような感じが、して……。怖くなって……。もう、ほんとどうしたらいいか全然わかんなくて。この気持ち、初めてだから……だから、師匠は……? 師匠はこんなこと、ありましたか?」

難しいね、と師匠は呟く。うーん、うーん、と考えた後、言葉を途切れ途切れに紡ぎ出した。

稚『あたしはそんなことなかったから、具体的な解決法はわからない。
　けれど、ニューヨークブルズの女子エースという観点からすれば、やっぱりA。あなたはとても優秀になれる……ううん、なるブレーダーだから、こっちにきて欲しい。
　でもAの師匠としてアドバイスするとなれば……あたしだったら今を選ぶかな。過去はどんなに大切でも、それはただの"記憶"だから、ね。でもだからといって切り捨てることもできない』

師匠の言葉ひとつひとつが、涙を誘う。

稚『Aは、A。あなたのやりたいことを貫いて。そうすれば自然と答えは見えてくるんだよ。

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　あとね、A。あなたはフリーに恋してるんだよ』
貴「あぁ、はい……って、えぇっ!?」

じゃね、という軽い言葉とともに通話が切れた。