3話 ● ページ3
えっ、という先輩の短い声と、三郎のため息。
いや、三郎がため息吐くのは違うでしょ!
「一言言ってくれれば良かったのに」
「言ったら書かせてくれないかと思った」
「言われたら書くよ」
相変わらず目を合わせてくれない三郎が不貞腐れたように呟いている。
「いつから私は三郎の保護者設定だったの?」
「最初から」
「まじか〜」
もうばれてしまっているのだから、と私の質問にも素直に答えてくれるらしい。素直な三郎はレアだ。
「えっと、三郎のきょうだい?」
「違いますよ。こいつは兄妹なんかじゃありません。ただの幼なじみです」
三郎が私を指差しながらピシャリと言った。
そんな速度で否定しなくても良いだろうに。
「そうか…。保護者じゃないのか…。」
三郎の先輩はぶつぶつと何か一人で考え始めた。まあ確かに、普通幼なじみの名前書く人なんていない。もしかしたら学園初だったりして?
しばらく呟く様を見ていれば、先輩は急に顔を上げて、
「…とりあえず僕は学園長先生と新野先生に伺ってくる。君たちはここで待機してて」
そう言い残すなり屋根裏に消えていった。
忍者って脚力すごいねと三郎に話しかけようとしたけれど、
先輩がいなくなった途端にまた起き上がろうとしたので、攻防を繰り返すうちに何を言おうとしていたのか忘れてしまった。
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こてつ(プロフ) - あられさん» コメントありがとうございます!めちゃめちゃ嬉しいです!😆頑張ります!! (11月26日 22時) (レス) id: 121a61ed72 (このIDを非表示/違反報告)
あられ - めっちゃ好きです!これからの更新も無理せずにがんばってください! (11月26日 22時) (レス) @page10 id: 9c68c0223b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こてつ | 作成日時:2023年1月5日 13時