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森の中の浅い洞窟の中に1人で泣いていた女の子がいた
その時私はまだ柱ではなくて、一般の隊士として鬼狩りをしてた頃だから
そんなことより最悪なことに、夕暮れで鬼が出る時間だったため、そっとその子に話しかけた
「貴方、どうしたの?」
『……うぅ……っ…』
話しかけても泣いてばっかだし、小さな子の相手は難しかった
私は姉さんみたいに簡単に手懐けないから迷っていたっけ
確か、私は泣いてばっかのAを慰めるために髪留めに使っていた蝶の髪飾りを外して見せた
「ほら、見て、蝶々よ。綺麗でしょ?」
『…ちょう、ちょ……?』
私が髪飾りを見せると少し泣き止んで手に取った
「貴方、ここで何してるの?お父さんかお母さんはいない?」
『…お父さん……お母さん…いるけど……ここ、どこかわかんない…』
「迷子なのね。お姉さんが一緒に探してあげるわ。名前は言える?」
『……なまえ…ね、…A……っていうの…』
「Aちゃんね、苗字は分からない?」
『みょう、じ……?』
「そうね……名前の上についてるもの。私の名前はしのぶ。胡蝶しのぶよ。ほら、しのぶの上に胡蝶ってついてるでしょ?」
幼かったから、苗字というのが分からなくて説明するのが大変だったけど、私の名前で代用して説明すると理解してくれた
『…みょうじって、やつ……わかんない…覚えてない…』
「そう……何歳かはわかる?お父さんとお母さんの名前とか、お兄ちゃんお姉ちゃん、妹とかいたら名前教えて欲しいんだけど…」
『わたし…8歳……お兄ちゃん……いるけど、いつも…お兄ちゃんっていうから……名前…覚えてない…』
何もかも覚えてない様子で親を探すのにとても苦労した
鬼が出る時間でもあるから、この子から離れることは出来ないと思ったから付きっきりでそばにいた
『……怖い、ばけもの……近くに来る……っ』
「怖い化け物?」
突然そう言って泣き出したから必死で慰めた
怖い化け物といえば、この時で言えば鬼しか無かった
『……怖い……っ』
確かに鬼の気配がしたし、こちらに近づいてくるようだった
洞窟の外に出るとそこには気配通り鬼がいた
なにか人間の腕のようなものを咥えてこちらに来るなり、襲いかかってきた
私は刀を構えて、鬼の頸を斬り落とした
「もう大丈夫よ。にしても、よく鬼がいるなんてわかったのね」
『……変な匂いしたから……』
匂いなんて全くしなかったのに
きっとこの子は嗅覚が優れてるんだとわかった
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ありさちゃん(プロフ) - みみさん» わー!喜んでもらえて嬉しいです!! (2020年1月4日 23時) (レス) id: 231416c233 (このIDを非表示/違反報告)
ありさちゃん(プロフ) - 莉央さん» ありがとうございます! (2020年1月4日 23時) (レス) id: 231416c233 (このIDを非表示/違反報告)
みみ - 作者様と同じ無一郎と善逸なのでもう、一言で表すと最高です!! (2020年1月4日 22時) (レス) id: 97ae3430ef (このIDを非表示/違反報告)
莉央(プロフ) - ただただ一言、マジ神 (2019年12月3日 22時) (レス) id: 1b4747e0e8 (このIDを非表示/違反報告)
ありさちゃん(プロフ) - miさん» えっえっ!!!ありがとうございます!泣 (2019年11月26日 19時) (レス) id: 231416c233 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:亜莉沙 | 作成日時:2019年11月3日 21時