隠し事 ページ39
ym side
金曜日。珍しくまだ陽の高いうち家に着く。
帰ったら最近できてなかったゲームをして、ちゃんと自炊して裕翔くんと電話するんだ！とわくわくしながら、とりあえず溜まったゴミを捨てに行こうと玄関のドアを開けた。
伊「やーまだ」
ゴミ片手に歩いてるところ、後ろから不意に肩を叩かれた。
声の主は容易に見当がつく。
背中は向けたまま、首だけ捻って振り返る。
『伊野尾ちゃん。早いね今日』
伊「用事があったから半休とった。まあすぐ終わったんだけどね」
『適当......』
軽快に笑ってるけどどこか嫌味ったらしく感じるのは気のせいだろうか。
それよりさ、と言葉を次ぐから文句言えなかったけど。
伊「それよりさ、さっき裕翔に会ったよ」
『っ......へえ、そうなんだ』
む、っと暗い感情が湧き上がってきたことには目を瞑る。
伊「コンビニで見かけてさ。用事ないみたいだから家に呼んだ」
『は？え、なんでっ？そんな間柄じゃないでしょ！』
伊「そう？結構仲良くなったと思うけど」
一瞬浮かんできた、伊野尾ちゃんに取られるんじゃないか、という不安はどんどん大きくなる。
......いや、そもそも俺のものじゃないか、なんて自虐的に笑いそうになったけど、今はそれどころじゃないことに気づく。
『で、な、なんの話したの？』
その言葉を聞いた途端、へらへら笑っていた伊野尾ちゃんが真面目な顔になる。
伊「山田のこと、だけど」
『なにそれ......どういうこと？』
伊「だってそうじゃん？俺らの共通点というか話題は山田しかないだろ？ クリスマス家に行ったみたいだし、変なことしてないよな、って」
真面目なトーンでそう言って小さく、あのときのこともあるし と小さく付け加える。
『......はあ？まだそんなの気にしてたの？何回も言ってるじゃん！ゆうとくんはそんなことしないもん！』
唐突に怒鳴り出した俺に、伊野尾ちゃんは目を丸くした。
伊「ちょ、落ち着けって」
『落ち着いてるよ！............それ、ゆうとくんに言ってないよね？』
伊「言ってねぇよ」
『信用出来ない！』
怒鳴られて悲しんでるような顔をする。それに無性に腹が立って仕方なくて、
『......嫌い』
それだけ言い残して背を向けた。
ゆうとくんにあのときのことなんて知られたら嫌われる。
隠し事をしているという事実は心苦しかったけど、言えない。
なんで、あれから何年も経ったのに。
"あのときのこと" は今でも、俺に纏わりついてくるんだ。
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わたあめ - 甘酸っぱい凄く初々しい物語ですね！面白かったです♡この話ってゆとやまが付き合って、イチャイチャする場面まで作れますか？主様の物語とてもタイプでした！ (2022年12月14日 16時) (
レス) @page46 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ちょこ(プロフ) - すごい面白いです。いつも楽しく見させて頂いてます。 (2022年11月3日 23時) (レス) @page46 id: 0ec106236f (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるくてぃー(プロフ) - しゅーたさん» コメントありがとうございます！実は私、しゅーた様のPervert *jump ytym*が大好きなんです！お互い頑張りましょう。これからも一目惚れ−ytym−をよろしくお願いします！ (2021年3月22日 16時) (レス) id: 7c2aec0ae1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーた(プロフ) - いつも初々しいきゅんきゅんなゆとやまを楽しく見させていただいています！肩、お大事になさってください…！応援してます！！！ (2021年3月22日 9時) (レス) id: 64eba0c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごみるくてぃー。 | 作成日時：2021年2月22日 22時
