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隠し事? ページ38

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その日は金曜日で、いつも通り9時ぴったりに電話を掛ける。
だけどその日の山田さんの声は、何処と無く元気がなかった


「それで、その犬がめちゃくちゃすごくて!あ、あの番組の恒例シリーズになったから、今度放送されるときは見てみてください!火曜の7時からなので」
『うん、見てみるね。えっと……』
「火曜の7時からです」
『あ、そうだったそうだった』


いつも通りのようで、どこか上の空だ。
会話がなんとなく噛み合わないし、話の内容も頭に入ってないみたいで。
え、もしかしてこの話つまんない?と話題を変えてもやっぱりぼーっとしてて。


「山田さん?」
『......あっ、なに?』
「なにか、ありました?」


不安になって訊いてみた。
図星だったのか、えっ、と小さく声が漏れ、そこから沈黙。
それでも根気強く待ってると、ぼそりと小さく何かを言った。


「え、ごめんなさい、聞こえなくて......」
『伊野尾ちゃんから、なにか聞いてない?』
「......なにか、って?」


今日家に行ったときに何か聞いてないか、という意味らしい。
知ってたんだな、と少し嬉しく思いつつ頭を回転させる。
会話を思い返してみるも、したのはあの山田さんの話と、他は他愛のない天気とか最近のニュースの話題くらいしか話してない。


『あっ、聞いてないなら良いんだ!気にしないで』
「あ、はい……」
『ところでさぁ、この間サークルでね……』


慌てて話題を変える山田さんに、少し違和感を覚える。
もしかして、何か聞かれちゃまずいことでもあるのだろうか。
伊野尾さんは知ってて、俺は知らないことがあるのだろうか。
いや、まあ多少はあるだろう。当たり前だ。
でもそれが少しだけ、寂しかったりもする。

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設定タグ:ytym , ゆとやま , HSJ   
作品ジャンル:恋愛
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わたあめ - 甘酸っぱい凄く初々しい物語ですね!面白かったです♡この話ってゆとやまが付き合って、イチャイチャする場面まで作れますか?主様の物語とてもタイプでした! (2022年12月14日 16時) (レス) @page46 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ちょこ(プロフ) - すごい面白いです。いつも楽しく見させて頂いてます。 (2022年11月3日 23時) (レス) @page46 id: 0ec106236f (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるくてぃー(プロフ) - しゅーたさん» コメントありがとうございます!実は私、しゅーた様のPervert *jump ytym*が大好きなんです!お互い頑張りましょう。これからも一目惚れ−ytym−をよろしくお願いします! (2021年3月22日 16時) (レス) id: 7c2aec0ae1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーた(プロフ) - いつも初々しいきゅんきゅんなゆとやまを楽しく見させていただいています!肩、お大事になさってください…!応援してます!!! (2021年3月22日 9時) (レス) id: 64eba0c041 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごみるくてぃー。 | 作成日時:2021年2月22日 22時

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