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24日 ページ29

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その日の晩、風呂から上がると珍しく山田さんから着信があった。
不思議に思いながら掛け直すと、3コール目で電話のつながる音がした。


「もしもし山田さん?」
『ゆうとくん!今日はありがとね。楽しかった』
「いえいえ、こちらこそ、楽しかったです。送っていただいてありがとうございました。伊野尾さんにも伝えておいてください」


電子音の混ざった山田さんの声がどことなくそわそわしてるのは、気のせいだろうか。


『それでね、ゆうとくん』
「はい」


一瞬の沈黙。
何かを躊躇っているのか、しばらくうーん、という声が聞こえる。


『あの、明後日。24日、空いてる?』
「えっ!24日、ですか......?」
『うん』


スマホを落としそうになった。
24日。
普段ならただの平日だ。
だけど今月は違う......クリスマスイヴだ。


「普通に学校がありますけど、そのほかに予定はありません」
『あ、学校あるんだ』
「金曜日なので。そのあとは冬休みですけど」
『そ、っかぁ......ごめんね、なんでもない』


山田さんの言いたいことが、ある程度わかった。
だからなんでもない、じゃなくて、言って欲しかった。
どこか寂しそうな声に、背中を押される。


「じゃあ俺の方から言いたいことがあるんですけど」
『ん?なあに?』


深呼吸をする。
このまま何も聞かなかったように電話を切ったら、絶対に後悔する。


「24日、クリスマスイヴ。俺、予定ないんですよね。弟は友達とパーティーだし、両親は二人でフレンチに行くって。だから......山田さんさえよければ、なんですけど」


まどろっこしい。
さっさと言ってしまえ。
勇気を振り絞る。


「一緒に、過ごしてくれませんか?」


心臓の音がうるさい。
だって今までの約束とは訳が違う。
クリスマスイヴ。年に一回の、聖なる夜。


『.....いいのっ?』


その声に、ベッドに座り込んだ。
あー、好きだ。大好きだ。


「え、泣いてますっ?」
『泣いてないもん』
「......っ好きです」
『え?』
「なんでもないです」

〃→←〃



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設定タグ:ytym , ゆとやま , HSJ   
作品ジャンル:恋愛
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わたあめ - 甘酸っぱい凄く初々しい物語ですね!面白かったです♡この話ってゆとやまが付き合って、イチャイチャする場面まで作れますか?主様の物語とてもタイプでした! (2022年12月14日 16時) (レス) @page46 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ちょこ(プロフ) - すごい面白いです。いつも楽しく見させて頂いてます。 (2022年11月3日 23時) (レス) @page46 id: 0ec106236f (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるくてぃー(プロフ) - しゅーたさん» コメントありがとうございます!実は私、しゅーた様のPervert *jump ytym*が大好きなんです!お互い頑張りましょう。これからも一目惚れ−ytym−をよろしくお願いします! (2021年3月22日 16時) (レス) id: 7c2aec0ae1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーた(プロフ) - いつも初々しいきゅんきゅんなゆとやまを楽しく見させていただいています!肩、お大事になさってください…!応援してます!!! (2021年3月22日 9時) (レス) id: 64eba0c041 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちごみるくてぃー。 | 作成日時:2021年2月22日 22時

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