映画 ページ27
yt side
冬休み前の日曜日。
なぜ俺は......一人で映画館なんかに来ているのだろう。
一緒に行くはずだった弟に友達から誘われたとドタキャンされ、一人で映画館にやって来た。
今日は高校生キャンペーン最終日。チケット半額のチャンスを無駄にはできない。
チケットを一枚買い、コーラでも飲もうかと売店に近づいた時だった。
『あれ、ゆうとくん？』
声の先にはあの笑顔。
「山田さん！なんでここに？」
喜びのあまり駆けつけて、そして気づく。
一人じゃ、なかった。
隣には、山田さんよりいくつか年上であろう茶髪の男の人。
『ゆうとくんも映画見に来たの？奇遇だね』
にこにこしながら俺に近づく山田さんが愛おしいのと、隣に立つ男の人に対する嫉妬で、複雑な気持ちになる。
「そうですね。あ、初めまして......か、彼氏、さん？」
この予感が外れることを祈りながら、なんとか笑顔を作る。
『彼氏？あはは、違うよ。俺の幼馴染！』
伊「伊野尾慧です。山田のお友達？」
さっと名刺を差し出すとこが大人の余裕って感じで格好良い。
しかも結構大企業勤。
幼馴染という台詞に安心はするものの、嫉妬心は消えない。
「友達っていうか......後輩、です。中島裕翔っていいます」
伊「オッケー、裕翔ね。山田からよく聞いてるよ。よろしくね」
明るく俺の手を握って、にっこり微笑む。
『ゆうとくん、なんの映画見るの？.......あ、その映画俺らも見ようと思ってたんだよね！』
手に持ったチケットを覗き込んだ山田さんが、嬉しそうな声をあげる。
『せっかくだから一緒に見ようよ！ね、いいでしょ伊野尾ちゃん？』
伊「まあ俺は良いんだけどさ、裕翔はいいの？」
「もちろんです！」
肩を並べて売り場に歩き出す二人を見て、胸騒ぎを覚える。
お似合いだな。仲良いんだろうな。
『じゃーん、ゆうとくんの隣の席取っちゃったぁ』
伊「こら、俺の財布から出てるって忘れんな」
『だって伊野尾ちゃんがお金出すから一緒に行こうって言ったんじゃん』
こんなやり取りもすっごく自然で。
『ねえ伊野尾ちゃん、俺ポップコーン食べたい』
伊「はいはい。ね、裕翔もおいで。奢ったげる」
「え？いや、いいですよ」
伊「遠慮しない。ほらほら」
山田さんがあんな風に俺に甘えてきたことなんてあったっけ。
拳を握りしめ、二人に続いて歩き出した。
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わたあめ - 甘酸っぱい凄く初々しい物語ですね！面白かったです♡この話ってゆとやまが付き合って、イチャイチャする場面まで作れますか？主様の物語とてもタイプでした！ (2022年12月14日 16時) (
レス) @page46 id: c3da2a518a (このIDを非表示/違反報告)
(名前)ちょこ(プロフ) - すごい面白いです。いつも楽しく見させて頂いてます。 (2022年11月3日 23時) (レス) @page46 id: 0ec106236f (このIDを非表示/違反報告)
いちごみるくてぃー(プロフ) - しゅーたさん» コメントありがとうございます！実は私、しゅーた様のPervert *jump ytym*が大好きなんです！お互い頑張りましょう。これからも一目惚れ−ytym−をよろしくお願いします！ (2021年3月22日 16時) (レス) id: 7c2aec0ae1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅーた(プロフ) - いつも初々しいきゅんきゅんなゆとやまを楽しく見させていただいています！肩、お大事になさってください…！応援してます！！！ (2021年3月22日 9時) (レス) id: 64eba0c041 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いちごみるくてぃー。 | 作成日時：2021年2月22日 22時
