一目惚れ -ytym-

〃 ページ24

ym side



さっきまでクレープを食べていたなんて到底思えないスピードで次々と食べ進めていく裕翔くん。
結構大きめのクレープを食べた直後に焼肉食べ放題。
提案したの俺だけど、裕翔くんの想像以上の食べっぷりに感心する。
さすが高校生男子というか、育ち盛りだなと思う。微笑ましい。


「山田さん！このカルビ美味しいですよ！」
『ほんと？あ』


あ、と口を開ける。
てっきりお肉をそのまま差し出してくれるのかと思いきや、一向にその気配がない。


『…………ゆうとくん？』
「あ、はい。あーん」

あ、こうして至近距離で見るとほんと格好良いな。
睫毛が長くて、薄い唇とかが色気があって……って、高校生の男の子相手になに思ってるんだろ、俺。


「美味しいでしょ？」
『ん、おいひ』
「ですよねー。あ、飯もの食べます？それかご飯」
『んー、いいや。あ、アイス食べようかな』
「甘いもの好きですよね。可愛い」


というかこの量の肉を食べた後でなんでそんな意気揚々と白米を口に運んでるんだろう。
可愛いな。料理作ったら世界一美味しそうに食べてくれそう。
なんだか最近裕翔くんにずっと翻弄されてる気がする。
常に心臓がばくばくいってるし、さっきも息が止まるかと思った。
あれわざとなのかな。
彼女とかにしてきたのかな。
頭いいし気配りできるし、おまけにこのルックスなんて、絶対モテるだろうな。


「……山田さん？どうしました？」
『あ、ううん。今日撮った写真、送ってね』
「もちろんです！」


二人でおなかいっぱい食べてから、車に乗って移動する。
裕翔くんの提案で前回の公園に行くことになった。
さりげなく歩幅を合わせてくれるところとか、たまに狂ったように可愛い可愛い言いながら写真を撮りまくるところとか、自然と車道側歩いてくれるところとか、年下だと思えなくて。


『……大好き』
「へっ？」
『あ、いやなんでもない！』


あ、そういうことか。
思ったことを無意識に言ってしまう性格が、少しだけありがたくなった。
気づく。
俺、裕翔くんのこと好きになちゃったかもしれない。




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