あまく、にがく、はげしく 。《 Snow Man 》

雲に隠した。(いわふか) ﾘｸ ページ47

岩本side




今日の天気は曇り。

今にも雨が降りそうな分厚い雲が空を覆う。


そんな雲にお似合いの俺の心模様。


なぜかと言えば、

俺の目線の先。


このグループの自称ビジュアル担当の最年長のせい。

こいつのこと意識するだけで謎に胸が痛い。


でもその感情には目を逸らし続けてる。


だって、メンバーだし。

これからずっと一緒にやってくんだし。

気まずくなったらやだし。

…隣にいれるだけで、いいし。


だから今日もこの気持ちには溢れないように蓋をする。





ｽﾀｯﾌ「じゃあ移動するのでロケバス乗ってくださーい」

「「はーい」」





みんなでロケバスに乗り込む。

俺は一番後ろの席で、ふっかと隣だった。


特に何も言わず平然を装う。


…本当はソワソワだけど。




「ひかるー、今日遠いんだっけ？」

「んー多分。そこそこ」

「じゃー俺寝ようかなぁ、」

「寝ててもいいよ？ 近くなったら起こすし」

「照は眠くないの？」

「俺はまぁ、大丈夫」

「えーでも照が起きてるなら俺も起きてよ」

「ははっ、別にいいのに」

「起きてるのー」




多分眠いんだろうな。笑

頑張ってスマホとか見て起きてるけど、

15分もすれば首がカクカクし始めた。




「…ん、あぁやべぇ、ねむ…」

「だーぁら、寝てればー？」

「…ひかる起きてんじゃん、」



なんでこいつこんなに俺が起きてることにこだわるんだ？

俺が寝ればふっかも寝るの？

なぁにそれ、可愛すぎ。



「じゃあ俺も寝るよ」

「…ほんとぉ…？」

「ん」



そっからはまじで秒だった。

すぐ寝た。


それでもカクカクと不安定な首は変わりなかったから、

ふっかの頭を引き寄せて俺の方にのせた。




なんかふっかの頭にある俺の手を離すのが惜しくて、

そのままふっかの頭を撫でた。



傷んでんなぁ、髪。

でもふわふわ感は全然ある。


ふっかの匂いが鼻をかすめる。

その度に俺の胸に色んな感情が渦巻く。


でも一番大きいのは、

愛しいって感情。

あーあ、さっき蓋をしたはずなのにな。



「…ふふ、可愛いかよ、」


「…んぁ…ぉしろ、じゃん…」



お城？笑

なんの夢見てんの。

ファンタジー系？

かわい。



「…ひかぅ、…」


「え？ おれ？」



まさかの俺登場？

なに、ふっか。

俺のこと好きなの？笑









…なんて。

自惚れんなってか。

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