Maybe＿＿＿＿fkab

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俺は阿部ちゃんのこと好きなわけ？



…そんなことを考えてるうちに撮影が終わってしまった。



今日一日、きっと俺は阿部ちゃんのことを目で追ってたんだと思う。


改めて、阿部ちゃん可愛いなとか気付かされたし。

昔はこんなあざとかったかな、とか色々考えたし。


なんか考え事してるときの伏し目がちな感じとか、

佐久間とかに絡まれてるときの楽しそうな顔。

目黒になんか言われて照れてたりとか。


あー、こんなに阿部ちゃんってコロコロ表情変わるんだ、とか。



…いやもう、なに？ ストーカー？ 俺。





「…いいや違うよな、観察観察、」




「…ふっか？ なに一人で喋ってんの？」


「っわ、阿部ちゃん！」


「なんでそんなびっくりするかなぁ」


「いや、なんでも。なんでもない」


「ふーん」


「…で、なんか用あった？」


「あっ、そうそう」





ふっかのとこ見てたら忘れそうだった〜と可愛い顔して言う阿部ちゃんに頬が緩んだ。

そのまま俺の隣に座ってきた阿部ちゃんは、資料を見せながら話し始めた。





「今度ー、俺とふっかでなんか地方ロケ行くらしくて」


「へぇ、…ってなんで阿部ちゃんが知ってんの？」


「さっきマネージャーさんにふっかにも伝えといてって言われたの」


「なるほど？」


「そうそう、…んで、ホテルの部屋なんだけど
一人ずつ部屋欲しいか、二人で一部屋でいいか選んでくださいって」


「…へ？」





そんな選択肢あんの？

いや、一人ずつだろうけど、普通は。

でもこれは、二人きりになれるチャンス？


…だから、チャンスってなんだよ。





「…おーい」


「はっ、ごめん」


「もー、そんなに悩む事？」


「…いや、んー、」


「一人ずつがいいよね？ じゃあ俺マネージャーさんに言ってくるからね？」





そう言って立ち上がった阿部ちゃんの手首を掴む。反射的に。





「？ なぁに？」




「だめ。二人で一部屋がいい」










…言っちゃったよ。









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「…え、？」




驚いた様子の阿部ちゃん。

そりゃそうだよな。

せっかく一人部屋になれる感じなのにわざわざ二人部屋がいいなんて言うんだもんな。




「嫌？」


「…別に嫌ではないけど」


「じゃあそれで」


「、うん、わかった」




なんで？ とでも言いたげな顔をする阿部ちゃんに、




「…あ、朝！ 寝坊したらやだし！」




…と、なんとも見苦しい言い訳をしてみた。







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