【wrwrd】脅威となる子、拾いました【zm】

精一杯のありがとう ページ23

✩.*˚









ゾムは不思議な感覚で目が覚めた


心地の良い日差しが窓から漏れている


横には水の入った桶とタオル






なにより驚いたのは魔女との近さだ


「ｯ〜〜!!?」



声にならない叫び声をあげて慌てて起き上がる


そこで思い出した昨日の夜、自分の1番思い出したくない悪夢を見てしまったこと


息がおかしくなったこと


そしたらAが来てずっと肩を摩ってくれたこと









また迷惑をかけてしまった、そんなことを思いながら思い出してしまった悪夢に軽く吐き気がし口を抑える





『…だいじょうぶ？』



慌てて視線を向ければ眠たそうに目を擦るA




やはりこの人はどうにも気配が掴めない、いや、気配を消している訳ではないだろうから




「(……あぁ、そうか




このひと、なんもしてこうへんからや)」





警戒心が無くなってしまった




それは簡単なことにみえて彼は今までの人生で大きすぎることだった









「ｯあ、の……あ、りがとうｯ!」



昨日の夜のことか、それとももっと大きなことか





出会った頃の声とは明らかに違う

彼のできる精一杯の誠意を一言に込めて






『!!……どういたしまして！』









それは確かに伝わった









(…なぁ、はらへった！)
(今日は何を食べよっか〜)






(ほんとに、ほんとに、ありがとう)

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