61話「ヒプノシス」 ページ17
オーストラリアのアスによるスローインで試合が再開された。
(気配を感じろ……音を聞き逃すな……)
ひたすら「暗闇」の中を走る稲森。
しかし彼は確実に相手に近づいている。
そしてついに……
「……やったあ！！」
相手の魔術にかかることなくボールを奪還した。
「クゥッ！」
かたや術を破られたサルは悔しそうに稲森を睨む。
「オーストラリアの選手が使っている能力は『ヒプノシス』。一種の催眠術よ」
「催眠術？」
ベンチ付近で観戦している夏未の発言に耳を疑う大谷。
「敵は左右の手の動きによるヒプノシス効果によって、暗示をかけているのよ。それによって間違った視覚を植え付けている。目を閉じることで、ヒプノシスの催眠効果をガードできる」
ボールは鬼道の元へ。
「行くぞ！必殺タクティクス『柔と剛』！！」
韓国戦でも活用したオフェンスのタクティクスを発動し、あっという間にボールを前線へと運ぶ。
「行けるっ！」
「稲森ィーーッ！！」
ボールを受け取った稲森を呼ぶ声が。
「俺に回せやァァーーッ！！」
「ええっ！？こ、琴平さんーーっ！？」
稲森のすぐ後ろにはディフェンス陣にとどまらずゴールめがけて走る琴平の姿が。
いつの間に気性が変化したのか、現代口調で稲森に呼びかける琴平。
「さっさと渡さんかいこのアホンダラがァ！！」
「うわぁ！？」
戸惑う稲森から強引にボールを奪い、シュートの姿勢を構える。
「鬼道！走れ！！」
鬼道にゴール前への進攻を促す。
彼は琴平の意図を汲んだのか、その口角を上げると言う通りに走って行った。
「おい、あいつ何をする気だ！？」
灰崎がたまらず声を荒げるも、琴平は止まらない。
「おおおッ！！」
当然ながら、ボールを受け取った琴平は敵のターゲットとなる。
四方八方から敵選手に襲われようと、琴平は余裕の構え。
「……ふん！」
琴平は勢いよく目の前の選手に向かって突進をしようとする。
「あいつ……無茶な！」
灰崎が言葉を漏らす。
「ひっ！？」
しかし次の瞬間、琴平はその激しさに思わず仰け反った相手の間をするりと抜けて攻め上がっていた。
正面突破すると思わせ、相手が退いた一瞬の隙に活路を見出す。
相手を弄ぶことに特化した彼ならではの戦法だ。
「鬼道！」
「ああ！」
鬼道が琴平から受け取ったボールを上空に蹴り上げ、指笛を高らかに鳴らしたかと思えば、地面からペンギンが現れボールをついばむ。
「『オーバーヘッドペンギン』！！」
なんとおなじみの灰崎の技を発動させた鬼道。
その威力は凄まじく、相手のキーパーは呆気なくゴールを許した。
62話「視線のレイザー・ビーム」→←60話「神経を研ぎ澄ませ」
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いづう(プロフ) - ニーナさん» おわ〜〜〜ニーナちゃんだ〜〜！！読んでくれて感謝感激……。最初はこんなもんだけどだんだん性格の悪さが露呈してくるよ(笑) 坂野上可愛がってるのはある意味では伏線なんですよね……。 (2021年1月3日 22時) (
レス) id: d4f89da318 (このIDを非表示/違反報告)
ニーナ(プロフ) - こんにちは！いづうちゃんニーナだよ！ようやくここまで読めました。琴平さん良い性格してますね(^-^)人の不幸が好きという決して良いとは言えない性格だけど、積極的に人を傷つけないところとか坂野上君可愛がってるとことか良いですね…。 (2020年12月30日 11時) (レス) id: 48e524db4d (このIDを非表示/違反報告)
白銀の執行人(プロフ) - ぜひぜひ(*´∇`)ﾉ面白いですよ！オススメします！ (2018年11月13日 20時) (レス) id: 43da32bf0c (このIDを非表示/違反報告)
いづう(プロフ) - 白銀の執行人さん» いいですよね〜(*´∀｀*)ジョジョに関しては結構前に父の影響でちらっと触れてたんですよ〜。前と比べて成長したことだし、機会があればじっくり読みたいです！ (2018年11月13日 20時) (レス) id: a4beff7793 (このIDを非表示/違反報告)
白銀の執行人(プロフ) - やっぱり！ジョジョ好きなのですぐに分かりました！イナイレとジョジョ良いですよね！ (2018年11月13日 19時) (レス) id: 43da32bf0c (このIDを非表示/違反報告)
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