階級甲の隊士は、何故か霞柱に懐かれたらしい【鬼滅の刃】

31話 ページ36

きっと、蟲柱様はこのことをお館様にお伝えするのだろう。

そして、きっとお館様は落胆してしまうのだろう。




俺が引き受けないが故に、柱たちは大きな負担を抱えることになる。

それを知っていてもなお、引き受けない自分に嫌気が差す。

(あぁ、俺はいつも他人にばかり迷惑をかけている。)

心の中が、自己嫌悪でいっぱいになる。




「あの〜、玲？」

「大丈夫、玲くん？」

顔をあげると、恋柱様と霞柱様はオロオロしている。

(きっと、彼らは『あの件』に関しては知らないのだろう。)





そう思うと、

「『あの件』に関して知っているのは、私と岩柱様と、水柱様と風柱様と蛇柱様です。」

と俺の心を読んだかの様に蟲柱様は言った。

「だから、『あの件』って、何なの？」

「私も気になるわ、しのぶちゃん。」

事情を知らない彼らは、首を傾げている。

「まぁ、大したことじゃないですよ。」

上手くはぐらかしながら、蟲柱様は薬草の書物を取り出して読み始めた。





すると、

「あの〜、あんみつ4つ追加。」

「あと、桜餅20個下さい。」

恋柱様と霞柱様が突然注文を追加した。

「え？ちょ、お二人とも・・・。」

思わず困惑した。

蟲柱様も怪訝な表情をしている。

「貴方達、一体何をしていr」「はい！甘味です！」

蟲柱様の言葉を遮る様に、甘味が置かれた。

32話→←30話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す