30話 ページ35
甘味がくると、蟲柱様はこちらから目をそらして、甘味の方に向けた。
恋柱様は桜餅を、蟲柱様はあんみつを頼んでいる。
そして、それを美味しそうに食べている。
霞柱様も、自分の甘味を食べている。
(きっと、知らない人から見れば、俺たちは仲の良い4人に見えるんだろうな。)
俺はふと思った。
「あれ、食べないの?」
霞柱様に言われて、俺は慌てて甘味を口に運ぶ。
そのあとは、ひたすら俺たち4人は甘味を食べた。
_____
「ふぅ、結構食べちゃったわ。」
「ホント、美味しかったですね。」
「今度、また行こうよ、玲。」
「はい。」
それぞれの甘味を食べ終えると、皆満足したような顔になる。
「あ。そういえば。」
突然蟲柱様は言った。
「『あの件』に関してのことなんですけど・・・。」
そう言われて、俺は俯いた。
鬼殺隊として、何をしなければいけないのか、わかっていた。
ただ、俺にはあまりにも重すぎる称号なのだ。
俺は、どんなにあがいても、努力しても、
師範のようにはなれない。
師範の代わりは務まらない。
この1年で、嫌というほど思い知ったのだ。
そんな俺の様子を見て、蟲柱様は、
「まぁ、無理する必要はありません。気が向いたら、いつでも。」
と言ってきた。
俺は、静かに頷いた。
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勉強&学校崩壊しろ! - 竹輪*胡瓜@昆布教さん» ありがとうございます!頑張ります! (2020年8月27日 9時) (レス) id: e7232d2884 (このIDを非表示/違反報告)
竹輪*胡瓜@昆布教 - この作品大好きです!更新頑張って下さい! (2020年8月26日 20時) (レス) id: af05283989 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朧月 | 作成日時:2020年7月31日 11時