階級甲の隊士は、何故か霞柱に懐かれたらしい【鬼滅の刃】 (ページ28)

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23話ページ28

『気にしなくていいよ。』

『気にする必要なんてないってば！』

先ほどの霞柱様の言葉を思い出す。

その言葉とともに、別の誰かの言葉が聞こえる。

時々あるのだ。

誰かの言葉で、別の記憶が引っ張り出される。

まさに、そんな感覚。

ぼんやりとしていると、

「あ！まずい！」

ふろふき大根がこげ始めた。

俺は慌てて火から下ろす。

そして、皿に盛り付ける。

「霞柱様、まだ来ないかな～。」

ぼんやりと、2人分の食事を見つめる。

すると、扉が開く音がする。

そして、霞柱様は帰ってきた。

だけど、何故か機嫌が悪い。

俺の顔を見ても、何も言わない。

そして、お互い無言のまま、食事を食べる。

不思議と、嫌な気分にはならなかった。

しばらくしてから聞いた話によると、他の隊士に馬鹿にされたらしい。

確かに、見た目は中性的だから、女っぽく見えるのは否定できない。

それに、隊服の袖もぶかぶかだ。

まぁ、それには理由があるのだが。

イライラしている霞柱様を見ながら、俺が思ったことは一つ。

(その隊士、死んでないといいな～。)