7：同期の彼と俺 ページ9
、
「…」
校舎裏の森の奥にひっそりと生える大樹の木陰に座る。
ポケットから煙草を取り出し、魔法で火をつけた。
あたりに煙草の甘い匂いと、煙が漂う。
「…ふぅ。やっぱ辞められないよなぁ」
俺の手のひらでぐしゃりと粉々になった飴に目を落とし、苦笑した。
今日は頑張って我慢したつもりだ。
けれど、煙草という誘惑には敵わない。
「__________また吸っているのか、A」
俺を名前で呼ぶ奴なんてそうそういない。
それに、このよく通る声を俺は知っている。
「…アシュトン？」
真っ赤なジャージと、首から下げた金色のホイッスルが目に映る。
「お前は学生時代から変わらんな…
初めて会った時も吸っていただろう？」
余談だが、アシュトン・バルガスはNRCの卒業生ではない。
彼と初めて出会ったのは、14年前の学校対抗マジフト大会の日。
スタジアムの外で隠れて煙草を燻らせていた時に、突然アシュトンに話しかけられたのだ。
「…そーだねぇ」
「…」
急に口が寂しくなったと思えば、アシュトンにパシッと煙草を奪われていた。
ぐしゃっと手で火のついた煙草を握り潰すアシュトンを見て、冷や汗が垂れる。
火傷ッ__________。
「ちょ、ばか何して…んむっ」
寂しかった口にぐいっと何かが押し込まれた。
…棒付きキャンディー？
「とりあえず、今日はそれを舐めとけよ。
………煙草、体に悪いから」
「ぇ、あ…分かった…？」
アシュトンは用が済んだのか、それだけ言うと森から立ち去っていった。
棒を持ち、ころりと飴を舌の上で転がす。
「あっま………」
ミルク味の飴はすぐに溶け、またすぐに口を寂しくさせた。
無意識にポケットに伸びかけた手を止め、俺は膝に顔を埋めた。
「ぅ〜、やっぱ煙草ないと死ぬ……」
アシュトンの言う通りに今日だけは我慢しようと思っていたが、ほんの数分でも耐えられない気がしてきた。
やはり一度吸うと、やめられないらしい。
「はぁ………」
、
未成年で煙草は吸ってはいけません！
棒付き飴は無理やり人の口に押し込んではいけません！
喉に詰まると危険なので、絶対にしないでね。
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ぽんちょ(プロフ) - kouboukunさん» どんどん渦巻いちゃってください！（？）また近いうちに更新再開しますので！お楽しみに〜 (2020年10月11日 22時) (
レス) id: d7f8510cf0 (このIDを非表示/違反報告)
kouboukun(プロフ) - ふぁっ・・・・・・・・好き。もう、考察ばっかしてる・・・・考察が渦巻いてる（？） (2020年10月11日 21時) (レス) id: 6b5d77f9d6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽんちょ | 作成日時：2020年9月7日 22時
