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「えっと、王子様がなぜ私のところへ･･･？」
「きみを今までのパーティで見かけたことがないし、何よりきみの美しさに惹かれたから、挨拶だけでもと思ってね。」
そうだ、私のリーフィアさまは美しいだろう？もっと褒めてもいいんだぞ。だってリーフィアさまの照れ顔見たいもの。
「あ、ありがとうございます･･･？」
ほら困ったようにはにかむリーフィアさま超可愛いじゃん。
「では･･･パーティを楽しんで。」
いやそれだけかい、と思ったが、王子は振り返るときにちらりと私を見た。
ただの見間違いで済ませたかった。
でもあの含みのある言い方と何か言いたげな雰囲気で、自分の考えが正しいことを知った。
ネルト王子は、それとカナンは気づいている。
ただいまいち確信が持てず、こうやって間接的にアプローチして反応を観察しているのだろう。
「ねぇライカ･･･。」
『はい。どうされました？』
リーフィアさまは、去っていくネルト王子の背中を見つめている。夢見るような表情で。
いつもならリーフィアさまの美しさに身悶える筈だが、なんだろう。今日は嫌な予感がする。
「ネルト様って素敵ね･･･。」
口角が引き攣る。
あのクソ王子は駄目です、リーフィアさま！
はい！あいつは昔、面の良さを利用してメイドやコックからお菓子を貰っていました！
はい！あいつは暴君だったので、私の剣を奪った挙句、振り回して危うく私を殺しそうになりました！
はい！歳下の私に負けたのが悔しいのか知らないけれど、私が負けを認めるまで模擬戦をやらされました！
でもリーフィアさまの恋は、リーフィアさまを1番近くで支えるメイドとして応援しなければならない。
いや、相手はあのクソな王子だぞ？リーフィアさまの幸せを考えると、これは止めた方が･･･。
どうすればいいんだ。
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作者名：月兎 | 作成日時：2023年6月27日 22時
