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『何故私が王子サマのお部屋にいるのでしょうか。』
「俺が呼んだからだ。」
『ただのメイドをそんな簡単に連れ込んでよいのですか。』
「ただのメイドは俺の護衛2人を倒さないだろ。」
『おっしゃる通りですね。』
クソ王子によると、先程倒した2人が私のことを知りたがっているらしい。あらやだモテ期かしら(死んだ目)。
リーフィアさまが!足りない!
王宮料理人の方から美味しいお菓子を頂いたからリーフィアさまと食べようと上機嫌で部屋に戻る途中、カナンに拉致られたのだ。
お前書類の山の中じゃなかったのか。
え?死ぬ気で終わらせたって?お疲れ様です。
まあそれはさておき、一言叫ばせてほしい。
こんな男共よりリーフィアさまが良いよー!!!
「お前失礼なこと考えてるだろ。」
『いえ、そんなこと心にもありません。』
「王族に対する虚偽の供述で不敬罪だ。」
『裏付けは冤罪を防ぐために重要ですよ。』
いつもの調子で言い合う私たちをザックとヘルンが驚いたように見ている。
カナンはまたか、とため息をついている。
「カナン、王子の本性出てるんだけど大丈夫?」
「ああ、彼女は深い訳があって大丈夫なんだ。」
あぁ、そういうことか。
確かに外ヅラ王子がただのメイドに本性見せてたら戸惑うよね。
しかもそのメイド普通に座ってケーキやお菓子食べて紅茶飲んでるし。
だがこれはリーフィアさまとの時間を奪った対価だ。
こんなんじゃ全く足りないけどな!
「っえ、まさか将来を誓い合った仲・・・?」
「そんなんこっちから願い下げだ。」
『奇遇ですね。私も同じことを考えていました。』
男として育てられて本当に良かったと思うのは、クソ王子の婚約者にならなかったことかな!
女として生きてたら家柄、年齢、教養的観点から確実に婚約者有力候補になっていただろうから、本当によかった。うん、本当に。
「だいたい、こんな性格がクソな女と将来を誓える訳ねぇだろ。」
『特大ブーメラン刺さってますよ。』
いやお前にだけは言われたくねぇぇぇ!!!
だってお前二枚舌のクソ王子じゃん!!!
人を胸で判別するクソ王子じゃん!!!(超根に持ってる)
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作者名:月兎 | 作成日時:2023年6月27日 22時