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そんなこんなで、ここはルルータス第二王子の部屋。
え、なんで?普通に空き部屋とかでいいのに。こんなんびびるって。
ほらリーフィアさまが緊張でガッチガチじゃん。そんな姿もお可愛らしい。
リーフィアさまのお隣に腰を下ろす。
あぁ、リーフィアさまのいい香りがする。
はい変態だと思ったそこの貴方、渾身の右ストレートをお見舞いしてさしあげます。
すると、向かいに座ったネディールがゆっくりと口を開く。
「さあ、もう隠し事は通用しませんよ姉上。貴女はノア・カンタータだ。そうでしょう?」
『ちが・・・そうです。』
一旦しらばっくれようとしたが、
獲物を追い詰めるような目のネディールと、
縋るような目で目つめるルルータス、
話してあげなさいといったように頷くリーフィアさまに囲まれて口を割らない奴がいたら教えてほしい。
「全くブレない体の軸と、その暗殺者のような雰囲気、特に本性を隠しているような目で分かりました。」
『私はメイドなんですが。』
「姉上は気配を操り、感情を出さず、しかし狙ったものは逃がさない典型的な暗殺者ですね!動きに全く無駄がないところも流石です!」
私はメイドなんですが。
もしくは騎士。
決して暗殺者ではない、はずなんだが。
「あ、あの、お姉様、なんですよね?」
『はい。ライカ・フォルタナ改めノア・カンタータです。お久しぶりですね、ルルータス。』
「・・・よかったッ!お姉様がいなくなってしまってとてもとても悲しくてッ!またお会いすることができて幸せです!」
瞳にうっすらと涙を溜め、声を震わせながらも微笑むルルータス。
かっわぁい・・・
心臓をぎゅっと掴まれたような胸の苦しさ。
まさか、これが、萌え・・・?
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作者名:月兎 | 作成日時:2023年6月27日 22時