メイドのライカ (ページ15)

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拝啓クソ王子

こんにちは。お元気ですか。

私はとっても元気です。貴方を殴り飛ばしたいくらい元気です。
なので殴っていいですか。

何故私の拳が貴方を殴りたがっているか、貴方なら分かると思います。というか分からなかったら馬鹿ですね。･･･失礼。

では王子サマ、報連相というものをご存知でしょうか。
報告連絡相談のことです。社会人として身につけておかねばならないスキルです。貴方は、この報連相をしませんでしたね。

“知らなかった”は通用しません。
何故ならお聞きしたのです。先日、カナンさまに“王子に口止めされているから言えない”と。

私が次に貴方にお会いするときが貴方の最期です。

敬具

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「姉上、姉上ですよね⁉︎」

「そうだと言ってください、お姉様！」

「ライカ、いいじゃない。話してあげても。」

OMG

ガーデンパーティにて。

遠くを見つめるメイド、ライカと

それを取り囲む

辺境伯令嬢リーフィアと、

騎士団長の息子でありカンタータの次期当主ネディール・カンタータに、

コートネリア王国の第二王子ルルータス・アーハイム。

周りから見たら、不思議な構図だろうな。
とっても多くの視線を感じる。

『と、とりあえず、場所を移しましょう。』

クソ王子への怒りから引き攣る口角を無理矢理上げて、好奇と嫉妬の視線から逃れる。

私は別にいいけれど、リーフィアさまが妬まれることは避けなければいけない。

私とリーフィアさま、ネディールとルルータスの二手に分かれ、さりげなーくパーティ会場を抜け出した。

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もうお気づきだろうが、このネディール・カンタータはノア・カンタータの弟である。

ルルータス・アーハイムは、クソ王子の弟、つまりノアと面識のある人物である。

つまりは、あのクソ王子はこれを分かっていて出席するかどうか聞いてきたということだ。許さん。