メイドのライカ (ページ11)

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「お前、女装してメイドやってるんじゃなくて、女だったのか･･･⁉︎」

『待ってください嘘ですよね⁉︎』

え待って、そんなに私男に見えます？
この服と体型とかから女だと分からないんですか？

長年の性別詐称性格で染みついた男らしさが抜けていないのだろうか？

「だってお前胸無いじゃん。」

『貴方のお大事な男の象徴を消し去って差し上げましょうか？？？』

びっくりするほどクソだなこの王子。

リーフィアさま、こいつは胸があるかないかで女性を見るクソ男です。リーフィアさまには相応しくありません。

あと私は着痩せするタイプだから。･･･多分。

「ネルト、それはノアに失礼だ。いくら事実とはいえ、言っていいことと悪いことがある。」

『はい。カナンさま、フォローになっていないですね。』

むしろ追い討ちをかけている。
確かに正論ではあるが、一言が余計だ。

『それと、私はもう“ノア・カンタータ”ではなく“ライカ・フォルタナ”ですので。』

「ライカ、か。慣れないな。」

『慣れてください。』

「だいぶ横暴じゃないか？」

『そのお言葉そっくりそのままお返ししますよ。』

“ネルト王子”と書いて“横暴君”と読む。はいここテストに出るよ。

“横暴”が似合う人選手権なんて出たら、圧倒的な差をつけてグランプリだろうな。

「不敬罪･･･？」

『はいそういうところですね。』

ほらこいつはすぐ不敬罪を使う。何も言ってないのに。

「ノア･･･じゃない、ライカ。呼び出しておいて申し訳ないがそろそろ戻らないといけないんじゃないか？」

『そうですね。リーフィアさまに心配をかける訳にはいきませんし、そろそろ戻らせていただきます。』

そう言って腰を上げかけたのだが、また王子が余計なことを言いやがった。

「リーフィアって、お前の主人だろ？あのおとなしそうな。」

『貴方にリーフィアさまは渡しませんよ。』

「まだ何も言ってねぇよ。」

こんなクソ王子にリーフィアさまは任せられないし、任せない。そう、リーフィアさまは私が守るのだ。

「お前が慕う女がどんなのか気になってるだけだ。まあ顔も良かっ」

『そんな軽い気持ちでリーフィアさまに近づけば、冥土の雷火が貴方を襲うでしょう。』

「火力つよ。」

リーフィアさま、私決めました。

私は冥土の雷火となってこのクソ王子から貴女をお守りいたします。