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Untitled No.54 ページ4











A「……」









工場にいた時。
誰かに、歌を教えてもらったことがある。
家族と満足に過ごす時間がなかった私にとって、その歌とその人は何よりも大事だったのに。



今、残酷にも "思い出したくない" と思っている。



ララに結ってもらった髪型は、崩れてしまった。
でも、元に戻してはない。
だって、あの男に会ってから、私は皆を避けてる。



そりゃあそうだ。
だって、私はあの男に会った。
あの男に会って、私の過去が公になってしまいそうになって……ほぼなったも同然だ。



『無名街のAは九龍にいた』



知ってる。
ここ2〜3週間の間で、SWORDの人達がどんなに九龍から身を守ろうとしているか、どんなに違法ドラッグをご法度としているか。



リズは九龍にいたことだけ言ったような感じだったけど、おそらく皆は気づいてる。
少なくとも、RUDE BOYSの皆は気づいてる。
私は、九龍でレッドラムに関する何かをしていたのだと。









A「……ふふ、正解」









空を見上げて、眩しい空にあざ笑って見せるけれど。
ただそれは虚しいだけで。
切なくて、悔しくて、哀しくて。



買ってもらったモッズコートは、ここにいる間だけでだいぶぼろぼろになってしまった。
毎日ダンスやパルクールなんてしてたら、ねえ。



無名街の真ん中、1番高い場所。
大きなドラム缶が建っているようなそんな場所の最上階、屋上で私は空を見上げていた。
ここじゃ、滅多なことでは見つからない。
高いから下からじゃ見えないし、どこからも視界の外になるように、影に身を隠しているから。



レッドラム……九龍を嫌う人達は、当然私のこともそう言う目で見てくるんだろう。
九龍の人間は非道だから。
それが判っているから、その事実があまりにも大きくて陰湿で闇が深いから、誰もがきっと私のことを "九龍の人間" としてでしか見れなくなるんだろう。



そもそも身の上を隠してた私だ。
本心であんなところにいたんじゃないと説明しても、誰が解ってくれるだろう?
また罵声を浴びせられる前に、見つかる前に、私はどこかに静かに消えてしまおう。









A「……」









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まや(プロフ) - 更新しますか?頑張ってください\(*⌒0⌒)♪ (2023年1月9日 1時) (レス) id: 507db5b736 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 再会おめでとうございます!すっごく嬉しいです〜!♡ (2022年9月30日 22時) (レス) @page8 id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 続き、読みたいです… (2022年9月25日 4時) (レス) @page6 id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 凄くこのあと気になります。ゆっくりでもいいので書いて欲しいです。よろしくお願いいたします。 (2020年1月4日 20時) (レス) id: f66918ad6e (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - 続きはないのかな!? (2019年4月25日 8時) (レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Kyoh. | 作成日時:2018年6月28日 0時

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