Untitled No.53 ページ3
‥
一目瞭然だ。
リズはAを連れ帰るつもりだ。
そのうち、奪いに来るんだろう。
迎えだの何だのと称して。
Aとは最近話していない。
それどころか、見かけてすらいない。
あいつが俺らを避けているのか。
俺があいつを避けているのか。
拾った時、あいつは暗く沈んだ顔をしていた。
ただ生きるのも諦めたような、そんな表情。
ピーと買い物に行ってた時。
俺がダンスを教えた時。
ララが雑誌の真似をして髪を結ってやった時。
スモーキーと夜話をした時。
そんな時を経て、Aの表情はだんだんほぐれていった。
俺らはほっとしてた。
そして、このままここで皆と生きていくんだと思ってた。
リズ。
九龍は9つのグループから成り立っているが、その中でも家村会とは……
タケシ「……やっぱり、訊かねえと」
いても立ってもいられなくなる。
あいつは俺が見つけて拾ったんだ。
責任てものもある。
ただ、それだけじゃないけど。
Aの部屋。
広くないけど、窓がある。
黄色く錆と砂とが、ついてしまっている。
掃除してやろうと思った。
床に散らばっているのは古くなって自然と落ちた布。
俺のダンスの練習場。
ここは滅多に人が来ないから練習には打ってつけ。
どっかで拾ってきた音楽機器とイヤホンは、いつでもポッケの中に入ってる。
砂の残るここに残っていた、真新しい足跡。
無名街で1番見晴らしがいい場所。
ここは見張り台にちょうどいい。
1番高いわけじゃないが、無名街をくまなく見渡せる。
RUDE BOYS全員でここにいれば、 "無慈悲なる街の亡霊" と称される。
街に降りれば、子供達は空気の抜けたボールを蹴って遊んでいる。
端の破れた本を読んでいる老人。
裁縫をしてながら談笑している婦人。
過ごし方は様々。
だけど、その中で誰ひとりAを気にするものはいない。
皆、自分のことで精一杯だから。
嘘、気にはしている。
だが、手も足も、口すら出ないのだ。
皆、自分のことで精一杯だから。
街の中にはいないのか。
確かに外の地理にはそろそろ慣れているはずだけど、
今外にいるなんて言われたら、考えられる理由がどうしても悪い方向に行ってしまう。
タケシ「ピー？！」
ピー「ああ、タケシ」
ララもきっと、探してるんだろう。
ほら、俺らの少し先できょろきょろしてる。
じっとその様子を見ていると、駆け寄ってきた。
……探すぞ。
‥
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まや(プロフ) - 更新しますか？頑張ってください＼(*⌒0⌒)♪ (2023年1月9日 1時) (
レス) id: 507db5b736 (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 再会おめでとうございます！すっごく嬉しいです〜！♡ (2022年9月30日 22時) (レス) @page8 id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
マリー(プロフ) - 続き、読みたいです… (2022年9月25日 4時) (レス) @page6 id: 9b9f0146ff (このIDを非表示/違反報告)
千(プロフ) - 凄くこのあと気になります。ゆっくりでもいいので書いて欲しいです。よろしくお願いいたします。 (2020年1月4日 20時) (レス) id: f66918ad6e (このIDを非表示/違反報告)
ましゅ - 続きはないのかな！？ (2019年4月25日 8時) (レス) id: 92986f90db (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Kyoh.
| 作成日時：2018年6月28日 0時
