今日、母親始めます【BL×オリジナル】 (ページ3)

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3部屋目ページ3

僕の世話係兼、助産役の律は外の世界からこの施設に来た人間らしい。ちなみに律は男やもめ。

「は？外の世界が気になる？」

コーヒーのお供に何故かめざしをもぐもぐと頬張る律にそう、と頷けば彼はうーんと唸り、そうだな。とこっちを見た

「ここ(施設)よりもずっと広くて、楽しいとこだな
まだ、お前らに対する理解も少ないが、地域によっては保護対象になるからな
理解もされ始めてるからそんなに恐れるこたぁねぇよ」

律の言葉にんー、と適当に返事をするとお前聞いてねぇな？と頬を抓られた。地味にイテェ。

「いひゃい……」

「痛くしてるからなー。でも、一歩ここを出るだけでも世界は変わるぞ」

律の言葉にうん、というと彼は「じゃ、さっさと子供作って外いけなー」と笑った。いや、それとこれとは別だろうと思ったが自然の流れに任せておきますー、と言って部屋を出ていった。

「……それとお前、少しは自炊できるようになりな」

「はいはい、勉強しておきますよ」

ひらひらと手を振り部屋を出ていくと資料を運んでいるらしい莉苑とすれ違う。莉苑はあ、元気してた？と訊ねてきた。僕はそれに頷き、莉苑はどうかと訊ねると彼はへらっと笑い「雑用ばっかで辛いわ」と答える。

「頑張れ」と莉苑の頭を何回かぽんぽんと叩くとおう、と頷き律の部屋に入って行った。