検索窓
今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:141,305 hit

14部屋目 ページ14

施設の中に入ると白衣を着た男性が立っていた。首にかけているプレートには「玉城 八代」と書かれている。

「おっ、来たな。初めまして、今日から綾木君の担当になる玉城です。プレートに書いてあるからわかると思うけど」

ケラケラ笑う玉城さんにお世話になります。と頭を下げると彼は「おう、荷物は届いてたから部屋に運んでおいたぞ」と言う。

礼をいうと彼は「部屋行く前にお前の番見に行こうや」と言う。ここに居るのか、と思うと少し苦しくなる。認めて貰えるだろうか。怖い人だったら嫌だな、と思いながら自分の服を握ると彼はそれに気がついたのか、「イイヤツだから安心しな」と言う。

「……はい」

しばらく歩いていくと居住施設に入った。表から見ると分からなかったが、ここは渡り廊下があり、その上にはガラスが張られているらしい。

「公園があるんだけど、あそこにもガラスが張ってあってだな、日光が必要以上に入らないようにしてんだわ。後は、雨降ってても遊べるように」

「子供ってすごい元気ですもんね」

ははは、と笑うと彼は立ち止まり、ベンチを指さしながら「ちょっとそこで待ってなー、呼んでくる」と言って「第6医務室」と書かれた部屋に入っていく。大人しくベンチに座って待っていると中から何かが落ちるような音がした。大丈夫かな。と思っていると中から白衣を着た少年と、めざしを口のはしから出した青年が顔を出した。

「……えっと?」

「初めまして、佐倉 莉苑です。このめざしは気にしないでください」

「は、はぁ……?」

「莉苑……、俺はお前の上司だぞー?このめざしってなんだよ。めざしって」

めざしを食んでいた男の人はそれを飲み込むと、莉苑……君の頭に顎を置きながら話す。痛そうだ。

「関係ないでーす。あ、俺この人部屋に案内するんで部屋の片付けお願いしますねー、あ、今日はもう上がるんでー」

莉苑君はそう言うと俺の手を取り、行きましょうか。近くなんで、と言って、俺を立ち上がらせると歩き出した。

15部屋目→←13部屋目



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.1/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
54人がお気に入り
設定タグ:BL , 男性妊娠 , 出産 , オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

腐女いちごう - 期待 (2017年4月29日 11時) (レス) id: 9a3b6eea55 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:リンネ | 作成日時:2017年2月3日 16時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。