28:バイト先2 ページ28
わたしの第二のバイト先はfonte chocolatというケーキ屋さんだ。
ケーキ屋さんって女の子の憧れの職業の一つだよね。
「おいしい・・・!」
ケーキを一口食べて笑顔になる。
ここのケーキはわたしの大好物なんだ。
甘さがちょうどよくていくつでも食べられる気がする。
「そろそろ給料から引いたほうがいいかもな」
わたしがケーキに食いついてる姿を見て、三月さんが呆れていた。
いいですよ、引いてもらって! むしろお金払いますから!
和泉さん家のご両親はたまにこうやってご褒美をくれる。優しいなあ。
「あ、TRIGGERだ」
「!?」
ケーキに夢中になっていると、テレビを見ていた三月さんがつぶやいた。
なんだって? トリガー? 思わず変な顔をしてしまう。
「天だ・・・」
テレビの中で笑っているのは、九条天くんだった。
「Aも九条のファンなのか?」
「いや、まさか。九条さんなんて知りませんし興味ないですし」
「どうした?」
急にテンションが下がったわたしを、三月さんが不審な目で見ていた。
ほんとになんであいつはわたしに構ってくるんだろう。
なにかしたっけ。思い出せない。
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作者名:兎田夏 | 作成日時:2017年1月31日 20時