【アイナナ】天使vs天使、じゃないの？【九条天】 (ページ11)

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10：テクノポップで踊るページ11

「だいぶ印象が違うな」

楽がテレビを見て呟く。

テレビには大人気新人アイドル、アイラビットの三人がうつっていた。白と黒を基調とした衣装に身をつつんだアイラビットの三人は、きらきら光るカラフルなライトの中でデビュー曲を披露している。センターのAの歌声が同じ楽屋にいる天の耳にも響いてきた。

「俺たちとセットにされて大変だろうな」

お茶を淹れながら龍之介がテレビの画面を見つめる。

天も二人につられてテレビに目を移した。
息の合ったパフォーマンス。耳に残る歌詞。テクノポップが心を弾ませる。そして三人からあふれ出す、女子高生ならではの危うさ。

特にセンターのAには印象に残るものがあった。テレビの中で歌って踊っているAは、先日天に叱られて涙を見せていた弱い少女とはまるで別人だ。彼女の歌声にはまっすぐ芯のとおった力強さがあり、聞くものの心を惹くものがあった。はじめてAの歌を聞いたときも天は驚いたものだ。

だからこそ天は彼女に少し興味があった。実際に出会うまでは。

「二人とも、仕事」

この後の収録のことを考えて、テレビに夢中な楽と龍之介に声をかけた。

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