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55:さくら ページ7

(楽side)


「A、さくらみにいく!」

「桜?」


髪飾りをつけてもらってはしゃいでいたAが急に俺のところに走ってきた。
桜か。


「そういや、そろそろ咲く頃か」

「ノアちゃんが、おはなみ?にいくっていってた!」


友達のすることを真似したい年頃なのか、Aはよくそんなことを言う。
考えてみれば二人ででかけたことはまだないし、桜を見に行くぐらい、いいかもな。


「今度の休みに行くか」

「うん!」


元気よくうなずいたAを見て、急に横から天が口を挟んできた。


「ね、それボクも一緒に行っていい?」


は?
休みの日に天がなにをしているのかは知らないが、こいつ、仕事かなにかと勘違いしてないか。


「じゃあ、俺が車を出すよ」


龍まで乗ってくる。


「てんとりゅうもいっしょ! やったー!」


俺が口を開く前に、Aが話をまとめたせいで、断るタイミングを失ってしまった。

56:おはなみ→←54:しゃしん



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作者名:兎田夏 | 作成日時:2017年3月29日 21時

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