【文豪ストレイドッグス】素敵帽子くんと不思議帽子ちゃん

不可思議な夢 ７ ページ7

＿＿ザクザク＿＿＿＿


チクチクと手足をさす草、





行く手を阻む木や蔦。





それを鬱陶しいと思いながらも、もうすぐだ、という気持ちが感情を満たす。






(くっそ、邪魔だな)

異能でも使えばいいのだが、ここまで異能を使わずに来たのだ、意地でも自力でたどり着きたいという妙な精神があった。









＿＿バサ……バサ＿＿＿＿



(もう少しだ)
直感で感じる。


心無しか蔦の量が減った気がする。
つまりはあとすこしで着くのではないだろうか。


「……ハァ…ッ…」

道が開けた森、そこに居たのは…





「…？お客様？」

落ち葉が落ちている長いテーブルの主人席に座っている、薄汚れた白いエプロンに濃い紅のエプロンドレス。

頭には時計の付いているシルクハットを被っている。




正に「不思議の国のアリス」をごちゃ混ぜにしたようだった。

「ねぇ、お名前は？」
「…人に名前を聞く時は自分が先に名乗るのが礼儀だろ？」
ふむ、と女は考え込む。

「そうですね、

私の名前はA・キャロルです」
「俺は、中原中也だ。」

名前からして外国人、だが流暢な日本語…そう考えると国籍は日本、というのも有り得てくる。







どちらにせよ、質問が増えただけの事だ。

不可思議な夢 ８→←不可思議な夢 ６

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す