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＊
「・・・おはよ。」
「ん・・・」
だぶだぶのパーカー。
徹のにおいがする。
「大丈夫?俺水持ってくるか…ら・・・。」
ベッドから出ようとして固まる徹。
「え・・・？どしたの？デレ期…?」
「なんでもいいでしょ?」
「でも、喉乾いたでしょ」
「乾いたけど。…それくらいいいじゃない」
そのまま、徹の身体に指を滑らす。
背中に額を当てて、抱きしめる。
「えーっっと、なにこれ、ごーもん？」
「さーね？」
「ぐぉぉ・・・」
「うるさい」
「ひどいね」
行く気を失ったのか、しっかりとベッドに座りなおす徹。
けれどそのまま離さない私。
「もー・・・どうしたのさ、さみしいの？」
「え？」
「…さみしいんじゃないの?」
さみしい
思ったことなんかないと思ってた。
「・・・うん」
「えっ」
「さみしかった。」
多分、それが、こたえ。
お母さんに、愛して欲しかった。見てほしかった。
その気持ちは、"母"から"誰でも"に変化した。
「私、さみしかったのね」
「ええぇ・・・どうしたの素直になって」
「ねぇ、なんで抱きしめ返してくれないの。」
「自分で拘束しておきながらよく言えたね。」
「うるさいわよ」
腕をほどく。
徹が向き直る。
「いいの？抱きしめて」
「駄目なんて言ってない。」
「うっわかわいくない。」
「・・・ほんと？」
「〜〜〜っ、あーもーずるーいー！」
「ふふっ」
腕を広げて、ほらほらと催促する。
「もー・・・」
「ふふ、あったかい。」
「ほんっとずるい・・・。」
＊
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作者名：萌菓 | 作者ホームページ：https://twitter.com/fruit_kandume
作成日時：2017年6月15日 2時
