偽りの優等生は化け術を解く。【稲荷崎】

あんたになら。 ページ19

夜。



『だぁぁぁぁ！疲れた....のど舐めなあかんわ.....』



私は自販機の前にあるソファに荒々しく座りのど飴を舐める。



角「あ、蘭崎さん。」



『んぁ？角名か。どうしたん？』



私が問うと角名は真剣な顔で私を見た。



角「何があったのか、教えて。」



『ヒュッゴホゴホッ！』



やばい。今思い切りのど飴が....！



『いきなり何聞いとるんや！？飴ちゃん舐めとるんやで！？死ぬわ！』←



角「あ、ごめん。」



ゆっくり舐めて労わろうと思ったのに......



『.....なんで知りたいんや？』



角「俺がバレー好きだから。」



なんっや！その主張は！！お前のことはどうでもええわ！！



『そんな理由で教えろ言われてもなぁ。』



角「だから。俺が、俺たちがバレー好きだから。蘭崎さんにもまた好きになって欲しいの。」



『"また"ってなんや？私はバレーが好きなんて一度も言うてない。』



角「好きだったよね。じゃなきゃやらない『みんながみんな。ハマったからやってると思っとるんか？』」



角「.....え？」



『夢を潰すようで悪いけど、私はバレーするのがトラウマなんだよ。』



あの中学の時、私は私を見失った。



カラン......ガキン！




『あんたになら、話してもええよ。引かないで聞いてくれ。』




私を潰し、嘘で固めていた8年を。

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