スカラビアへ聞き込み ページ8
次の日、私達はジャミルに話を聞きに行った。
ジャ「昨日の夜、俺はカリムに頼まれて調理室で夜食の羊肉の揚げ饅頭を作ってた」
ユ「夜食に揚げ饅頭ですか！？」
カ「ジャミルの造る揚げ饅頭、ほんっとに美味いんだ！今度お前らも食いにこいよ」
ジャ「カリム、話の腰を折るな」
カ「あっ、悪い悪い」
ジャミルに軽く叱られても、カリムは笑う。
それにしても夜食に揚げ饅頭か。....自分が王族なの忘れているのか？
ジャ「具材を細かく刻んでいた時に何故か手元が狂って手を傷つけてしまった」
カ「ジャミルの包丁さばきはウチのコック長も舌を巻くレベルなんだぜ。マジフトの練習で疲れてたのか？」
ジャ「いや。俺はその程度で手元を狂わせたりはしない。だけど、調理中に一瞬、意識が遠くなったような感覚があった」
ユ「目眩ですか？」
ジャ「殆どの奴らはそう思うだろうが、俺にはあの感覚に少し覚えがある。おそらく、ユニーク魔法の一種だ」
「「「「！！！」」」
ユニーク魔法。その単語を聞いて、監督生達の顔つきが変わる。
カ「そっか、ジャミルのユニーク魔法はふぁっフガフガ！」
カリムが全部言い切る前に、ジャミルがその口を手で塞いだ。
まぁ、ユニーク魔法の内容なんて普通誰に明かさないからね。今の判断は正しい。
カ「〜〜ぷはっ！なんで口塞ぐんだよ」
ジャ「今は俺の話はいいから。とにかく、犯人が使ったのは相手の行動を制御できるような魔法だと思う」
ケ「なるほどね〜。だから目撃者的には本人の不注意にしか見えなかったってことか」
リ「もしそれが一瞬のことなら、被害者自身も自分の不注意化操られたのか判別がつかないかもしれない。ボクも階段から落ちかけた時、無理矢理操られたような感覚はなかった」
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作者名：RUNA RUNA | 作成日時：2021年1月19日 21時
