小さな幸せ ~mafumafu~ ページ6
「ねぇ、Aちゃん」
「ん？なに？」
まふくんの部屋の床に座って読書をしていると、何の前触れも無く後ろからぎゅっと抱き締めてきたまふくん。
私達は付き合い始めてまだ日が浅い。抱き締めるときも、キスをするときも彼は顔を真っ赤に染めて、私にしてもいいかと問うてから実行するのだ。
でも今は何故か許可を得る前に抱き締め、顔を真っ赤に染める気配も無い。
「Aちゃんはさ、僕のこと好き？」
「うん、好きだよ」
「Aちゃんはさ、僕の彼女だよね？」
「うん、そうだよ」
少しずつ少しずつ私を抱き締める腕に力が篭ってきていて、ちょっと苦しいなと思うくらいの強さになってきていた。
「Aちゃん、本読むのやめて僕と話そ」
「……構ってほしいの？」
「そうだけどそうじゃない」
「んん？」
何なんだこの子は。言っていることに矛盾を感じる。
取り敢えずまふくんが言うように読んでいた本を閉じることにした。
「あのさ、今日帰り際に話してた奴誰」
「？……あ、同クラの進藤くんだよ」
「何話してたの」
「オススメの本を紹介しあってたんだよ、この本も進藤くんに勧められて読んでるの」
「ふぅん」
私の肩に顔を埋めてグリグリしてくるまふくん。
何だ、今日は甘えたな日なのかな。
「話すなとは言わないけど……Aちゃんは僕の彼女だもん」
「うん、そうだね？」
「はぁ……ほんっと察し悪いよね！Aちゃんて！まぁそういうとこに惚れたんだけどさ！可愛いね！」
「お、おぉ……ありがとう」
「どういたしまして！」
耳元で叫ばないで貰いたい。控えめに言っても煩い。
「あ、もしかして嫉妬してくれたの？」
こくんっと小さく頷くまふくん。成る程、嫉妬してたのか。可愛いのは私じゃなくて君だよまふくん。
言わないけど、怒られるから。
「そっか、ごめんね」
「ん……好きって言ってくれたから許す」
「ありがと」
頭を撫でてあげると手に擦り寄ってくる。微かに頬を染めてるまふくんに愛しさを覚えた。
これじゃあどっちが彼女か彼氏かわからないなぁ。
「でさ、この家僕とAちゃんしかいないんだよ？」
「そうだね、珍しくお母さん居なかったね」
「……そうだ、この子察しが悪いんだった」
肩を落として項垂れてるまふくん。
たまに貶される私は一体何なんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
旱吏@��(プロフ) - あやのりさん» コメントありがとうございます！私自身大好きな方達なんです！まだまだ勉強不足で全然ご本人に近付けていないような気が致してなりませんが...。これからも宜しくお願いします！ (2019年10月22日 23時) (携帯から) (
レス) id: 44c32ecf85 (このIDを非表示/違反報告)
あやのり - 何このメンツ………最&高！！！！ (2019年10月22日 21時) (レス) id: cb1eae126a (このIDを非表示/違反報告)
я(プロフ) - ねあこめー雪花ーさん» ありがと、、嬉し泣きする (2019年8月14日 21時) (携帯から) (レス) id: 44c32ecf85 (このIDを非表示/違反報告)
ねあこめー雪花ー(プロフ) - よきよきのよき！(^-^)b語彙力すごい･･･！ (2019年8月14日 20時) (レス) id: 01516e7cc0 (このIDを非表示/違反報告)
я(プロフ) - ゆなさん» コメントありがとうございます。そう言って貰えると嬉しいです、凄く励みになります！ご指摘感謝します、これからも頑張ります故応援宜しくお願いします。 (2019年8月13日 0時) (携帯から) (レス) id: 44c32ecf85 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：я | 作成日時：2019年8月7日 17時
