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「夢だとかマボロシだとか」 ページ19

黒子が足を止めて振り替える。


「どうしました?」

「いや手つなぐ必要ねぇなって」


黒子は「ありますよ」と言ってまた手を差し伸べ。




「私の頭じゃその理由がわかんないんですけど」

「藍里さん迷子になっちゃうじゃないですか」


その言葉に、ちょっと反応した。


名前呼ばれんの2回目だったから。



なんでこんなこと考えてんだって、そんなどうでもいいことは心の隅の方に置いとく。



大事なのは、今私がこいつに馬鹿にされまくってるってこと。



「さすがにお前のあと付いてくくらいは出来るんですけど」




ちょっとの間、黒子は私の目を見つめて、「何言ってんのこいつ」、みたいな顔で首を傾げたあと、「わかりました」と言って前を向いて歩き出した。



黒子は私のこと何だと思ってんの?

宇宙人的な?


なんて馬鹿なこと考えながら、それに続こうと黒子の足を辿る。


と、急に黒子の足が視界から消えた。


「は?」って顔を上げてみたら、




……目の前にいたあいつがいない。


「……まじか」




一応周りを見渡したけど、どこにも影すら見当たらない。



頭が痛くなってくる。

……今の黒子、マボロシだったんじゃね?

だとしたらやばい、私相当やばい。


こんな虚しい幻覚があるかって思った。


確かに、都合良過ぎじゃん。



会いたい人が会いたい時に現れるとか。



「キモすぎかよ私」


むしろ今日この日が全部夢だったとさえ思えてくる。


もしかしたら、花音たちも、四天王とかいう称号も、サロモやってる生活も、



私が生まれたことさえも。


夢なんじゃないかって。


だったらどんなに嬉しいか。








「だから言ったじゃないですか」


急に腕を掴まれて振り返る。

相変わらず無表情な黒子が立っていた。



「どっから出てきたよ……びびりすぎて声出なかったわ」

「ずっとここにいましたけど」

「いや嘘つけ」

「本当ですって。ボク影薄いんで」

「「影薄い」で片付けられるレベルじゃなくね?」



秒で反論する。

少し口角をあげた黒子に、内心かなりびびる。


こいつ笑うのか、破壊力すげぇ。



「まぁ、家までの道なんで、いつもよりも見えにくくはなってるんですけど」

「は?」

「そういう体質ってことです」


黒子はそう言うと、掴んでた私の手に指を絡めて、「もう離しちゃだめですよ?」と繋いだ手を持ち上げた。



その確かな感触のせいで、これはマボロシだとか夢だとかじゃないって実感してしまった。

「繚乱」→←「ギャップとかって」



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水団子(プロフ) - 歌柚さん» 話の展開を褒めて頂き光栄です、、!!!拙い文に亀更新で申しわけありませんが、楽しんで頂けると嬉しいです!コメントありがとうございました! (2021年8月31日 3時) (レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - 光華さん» めちゃくちゃ嬉しいです、、恐ろしい程更新が遅いですが、最後までお付き合い頂ければ幸いです。コメントありがとうございました! (2021年8月31日 3時) (レス) id: 4f5e2162c5 (このIDを非表示/違反報告)
歌柚 - コメント失礼します。ストーリや話の展開が面白くて楽しく見させてもらってます!ストーリ更新楽しみに待ってます!! (2021年7月13日 21時) (レス) id: f33fb75788 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 好きです!更新応援してます! (2021年5月16日 10時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
水団子(プロフ) - よもぎお餅さん» 黒子くんのお家に行こうと尾行したら見失った、というエピソードが好きでそこから色々と捏造を重ねたらこんな黒子くんが出来上がりました(^-^)主人公らしからぬミステリアスさが魅力だと思っています!コメントありがとうございました!! (2019年6月19日 20時) (レス) id: f26d4bb807 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水団子 | 作成日時:2016年9月16日 0時

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