飴色に溶ける (ページ6)

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勝「ねえ、ちょっと遅れて教室行こーよ
　ちょっとだけ！！」

そうやって言う彼の顔が何だか楽しそうだったから、罪悪感を感じながらも首を縦に振ってしまった。

まるでちょっとした悪巧みをする小学生みたい

ほんとは走って教室行かないとHRに間に合わないけれど2人の歩くペースはゆっくりのまま。

まわりが走って教室まで行くのなんて知らんぷりしながらただ歩いた。

そういえばさ、と
くるっと振り向いて私の顔を覗き込む

勝「さっきさ、あの子達と何話してたの？」

「え"」

勝「あ、言いたくなかったらいいんだけど」

言いたくないというか、言えないというか
そう反応に困ってしまった。

流石に

"勝利くんのことが好きで学級委員を代わってって言われて困ってました"

なんていえるほどこわいものしらずじゃない

そんな風に考えていたら

難しい顔をしていたんだと思う

勝「あ、言わなくていいよ
　ごめんね、忘れて？」

と気を使わせてしまった

そういったあとは私に気にさせないようにしてか、クラスのだれが面白いんだとかあの先生は厳しいだとか

そんなたわいないことを私の鈍い相槌を気にしながら笑って話してくれて

ほんの少しのことだけど

そんな彼がキラキラしてかっこよく見えて

それと同時に見る景色が違いすぎて

ずるい、なんて

「勝利くんはなんか‥強いね」

何でもできて友達もいてきっと彼にできないことなんて何もないんだろうな

そんなふうに

羨ましくなってしまう

勝「‥‥べつに、俺」

「へ？」

彼の顔を覗き込めばハッとしたように

勝「なんでもないよ」

といつもの笑顔で言った

少し歩くペースが上がって少し前に行くから
彼の顔が見えなくなって。

私は馬鹿だから

その時の君の表情が曇っていたのを

まだ気づかなかった