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プロローグ ページ1

それは、高校3年生の入学式だった。


青空の下、幼馴染みの如月(きさらぎ)優斗(ゆうと)と、わいわいと賑やかな道を2人で歩いていた。


そこは、歩道ではない道。正確に言うと、ガードレールがない所だった。


2人は、賑やかな所には似合わない沈黙を身に付けていたが、優斗の方が、しびれをきらしたのか、私を見た。


それは、決意と、少しの恥が混ざった表情だった。


車の音がうるさいが、それに負けないぐらいの声で君は言った。


「ごめん、ずっと隠してたことがあって、」


私は、一体何を隠していたのか、と一瞬考えたが、それは直ぐに消えた。


何故なら、君は車に跳ねられていたのだ。


彼は少し、車道に出すぎていたのだろう。


なんて考えてる暇なく、跳ねられた君の体を追いかけたが、そこには、寝ている君の体しかなかった。


賑やかだった道は、急に焦りに染まっていく。


私はただ、今起きたことを理解することに精一杯だった。

1話→



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作者名:雨宮くらり | 作成日時:2021年10月19日 17時

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