紅丸さんは素直になれない。【炎炎ノ消防隊】

弍拾捌話:混乱状態。 ページ36

紅丸side.




俺…、今なんつった……？！！


多分真っ赤に染まる顔をAに見えないように、
必死に顔を隠す。


心の中で言ったはずの言葉が、気付かぬ内にいつの間にか口から零れていた…。


しかも本人の前でだ…。




……………。








死にてェ…(絶望)←






もしAに聞かれてたら俺ァこれからどうすればいいんだ…

一体どんな顔してこいつと顔合わせればいいんだ…！？


ちゃんとはっきり聞こえなかったからか、教えてくださいよ〜！としつこく俺の周りをぴょんぴょん飛びながら聞いてくるA。

…兎か。(((


『もう1回！もう1回言ってください紅丸さん！何て
言ったんですか！！？』

「だから！俺ァ何も言ってねェって言ってんだろ。
つか、何か言ってたとしても教えねぇよ！！」

『教えないって言っちゃってるじゃないですか！！;;』←

「うっせェわ！！」(図星)←


言い合い(?)をすると、Aは眉間に皺を寄せて口を
むっとさせてまた怒った。


『紅丸さんのケチ！ばか！目つき悪い！目の中まるばつ！ネギ嫌い！お酒呑みすぎ！！』←

「おいちょっと待て後半」←





おい待て待て待て…俺って目つき悪いのか…！？←
(↑自覚ナシ)


確かに、ネギ嫌いだしこの頃町の奴らに飲みに誘われて、普通以上に呑みに行ってたのは本当だが…。




え、俺って目つき悪いの！？初耳なんだが！？？←
(今更である(((



『紅丸さんの……………、、




ばっ、ばーか…！;;』


「…………。」


Aは少し怒った様子でビクビクしながら俺にそう言った。

…多分だが、Aは俺にそんなこと言って逆に怒られると思っているだろう。



だが今の俺には怒るなど、そんなのは無い…。









((((((( は ？ 可 愛 い )))))))




今の俺の頭ン中にはこれしかない。()

なんとか顔には出さないようにしているが口元が
緩くなりそうなのを必死に堪える状態が続く…



悪口なんかほとんど言わないAが、ムキになって珍しく悪口を言った。


「(……そんで、頑張って絞り出した

悪口が“ばーか”って…。)」



俺は緩み全開な口を手で隠しながら、Aの方を向き…、



「…………へっ」

『…！！…っ〜〜〜〜〜〜〜〜…！！！！』


目を細めて鼻で笑った。


だって…だって必死に絞り出した悪口が
“ばーか”って…(笑)


俺は我慢出来ずにくすくすAがいない方を向いて笑うと、Aがまたぴょんぴょん飛び跳ねながら怒り始めた。



おいそんな飛ぶな転ぶぞ…(フラグ)



するとAは足を滑らせ、俺もまとめて布団がある方へすっ転んだ。

弍拾玖話:息が詰まりそうな程の距離。→←弍拾漆話: 紅丸さんはツンデレ(特殊)である。

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