紅丸さんは素直になれない。【炎炎ノ消防隊】

弍拾壱話:小さい子の目は誤魔化せない。 ページ25

・＊・＊・




『ただいまですー…。』

「……たでぇま…」


「あっ！帰ってきやがったぞヒカ！！」

「おう！行くぞヒナ！！」



1日を丸ごと使った長い見廻りが終わり、屯所に帰ってくると、ずっと玄関先で私たちの帰りを待っていたのか、ヒカちゃんとヒナちゃんが早足で私としんm……。



………べにまるさんの所まで駆け寄ってきた。(汗)



「Aー！若ー！」


『あっ、ヒカちゃんにヒナちゃん。』

「…玄関先まで出迎えとは、一体何の事態だ。」


隊ちょ…紅丸さん疲れたように玄関先の床に腰掛ける。



「何の事態も言わなくても分かることだぞ若ぁ！」

「そうだそうだー！！！」


そう言って、袖で隠れている両手をぶんぶんと降り、私の足元まで寄ってきた。


「おいAっ！つまらなくねぇもん買ってきやがったか！？」

「買ってきやがったか！？」

『え？つまらなくねぇもん……。



…！あ、団子のことですか？？』


「あったりめぇだろ！」

「その為にわざわざここでヒカヒナ達は待ってたんだからなっ！！」


ヒカちゃんとヒナちゃんの独特な表現で一瞬困惑したが、私はちゃんと昼間にヒカヒナちゃん達と紺炉さん用に買ってきた団子と和菓子が入った布袋を手渡した。



「…？おいA。団子以外にも何か入ってんぞ？」

「死に損ないのくそばばあが作った饅頭か…！？」


『違いますよ。お団子以外に入ってる和菓子は、そのおばさんの所の新作の和菓子です。今日出たばっかりなんですよ〜


……あと、死に損ないのくそばばあって言うのやめなさい…！;;』


そう言って私はヒカちゃんとヒナちゃんの頭に軽くチョップを入れた。


そうしてると、片手に木刀を持った紺炉さんが広間の方から顔を出した。


「おうAに若。両方帰ったか」


『はい！あっ…ｺﾞﾎﾝ…



第7特殊消防隊 皐月河A！只今無事、見廻りから帰還いたしました！』(￣^￣)ゞ


私は紺炉さんに向けて敬礼をすると、その場にいる全員が苦笑いを顔に浮かべた。


「A…。それ、他の奴らの真似か？」(苦笑)

「別にその硬っ苦しいの、一々やんなくていいんだぞ
それ。」


「Aー、んなことよりヒカヒナ達と遊んでくれよー！！」

「Aが買ってきた菓子食いながら遊ぼうぜ！！」

『食べながらはお行儀悪いので出来ません。』


私がジト目でヒカヒナちゃん達を見ると、急に突然ヒカヒナちゃん達の顔色が変わった…。


『…？ど、どうしたんですか？急に静かになって…』


「…A…、


目、赤くなってる…。」

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