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「食べさせっ、えっ!?」

日和さんの口から飛び出した爆弾発言。
食べさせる…私が?日和さんに?あーんしろって?

むりむり、そんなことしたら死んじゃうよ…!!
忘れようと頑張ってた、日和さんを一途に推していた頃の記憶が蘇ってしまう。

「はーやーくー。ね、ほら」

日和さんが持っていたフォークをこちらに渡してくる。
気にしすぎなのかもしれないけど、このフォークも、私が食べたやつだし…ほんとに、大丈夫なの?いいの?

恐る恐るフォークで1口分のケーキを切る。
切ったケーキをすくい上げるのにもたもたしてるふりをして、時間稼ぎをする。

けどそんなのも意味無いんだろう、日和さんは既に唇をうっすら開いてる。

両腕で頬杖をついて小さく口を開いているのがかわいく見えてくる。緊張で心臓が爆発しそう、どうしよう…

「あー…」
「あーん…」

「はむっ」
口の中に入ったフォークごと唇で挟む。
フォークを口から出すと、日和さんは目を細めてにこにこ笑いながら食べていた。

「ふふ。おいしいね」
「っ…そうで…そう、だね、」

私が男だったら日和さんに惚れてた。間違いない。
危ないところだった、とほっと胸を撫で下ろす。

なんていうか…ケーキの食べさせ合いなんかして、こんなの、カップルみたいじゃない…?

いや!何を考えてるんだろう、おこがましすぎる。だいたい私はファンじゃないし、日和さんに恋愛感情もなにもないんだから。
心の中でぴしゃりと頬を叩く。

「……Aちゃんはどうして夢ノ咲なんだろうなぁ」
「えっ?」
「僕はもうあんな血なまぐさいところごめんだね!英智くんが学院中を支配してるなんてつまらなさすぎるし、面白くないね」

黎明の方が上下差があるって聞くけどな…。
でも、夢ノ咲の昔からの形式上、確かに血なまぐさい、とも言えた。

日和さんは元々夢ノ咲の生徒だったし、思うところがあるのだろう。
Fineの時の日和さんのことをあまり知らないけど、どうなんだろう?

「Fineだった時の日和さんはどうだったんですか?」
「……その話、しなくちゃダメ?」
むすー、と膨れた顔になる。

「…Aちゃんに応援されてなかった僕のことを話すのは嫌だね」

チラ、と様子を伺うようにこちらを横目で見る。
…あざといなぁ。
絶対、本心じゃないように思えるけど。

「まぁ、とにかく、居心地のいいものではなかったから。」
ゆれるティーカップの中身を覗いて、小さくため息をついた。

.*→←12話 どうして?



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設定タグ:あんスタ , 巴日和 , Eve   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ななこさん» とても嬉しいです!!これからもご愛読頂けたら嬉しいです^^♡ (9月23日 0時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 面白すぎて一気読みしちゃいました( ; ; ) 更新これからも頑張ってください! (9月5日 1時) (レス) id: cef98c867c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ニコさん» お待たせしてます〜!申し訳ないです!(;_;)すごく励みになります!不定期すぎますが気長にお待ちいただけるととても嬉しいです…!ありがとうございます! (8月14日 1時) (レス) @page13 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 最新話きちゃ〜お疲れ様です!!相変わらず面白いです!!無理のない程度に連載頑張って下さい!! (8月14日 0時) (レス) @page13 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 苺姫さん» コメントありがとうございます!大変励みになります!検閲のご協力ありがとうございます、訂正致しました! (2022年12月7日 23時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月5日 20時

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