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「ここまで上がってこられるなら…僕たちの隣に並ぶ価値があるのなら、いくらでも正面から戦いを挑んで構わないよ。上手く利用してあげられるからね。
だけど、リングの外にいるどころか、そもそもリングに上がる気のない人をわざわざ引っ張りあげて戦おうだなんて…悪趣味だし、美しくないと思うね。
僕達からすれば、そういう人にはとっとと権利を投げ捨てて、即座に退場して欲しい」
日和さんの目はいつもと違って冷めきって、アイドルだということを忘れさせるほどだった。
私に向けられているのは、軽蔑の眼差しなのだろうか。
「君は、そういう人も無理やり戦わせたいの？」
尊敬する人に、その眩さが大好きでたまらなかった人に、そんなふうに見られるのが、辛くて、怖くて、仕方無かった。
「ち…違います！アイドルを目ざしたからには、本気でやって欲しいだけで…。」
「…悪いけど、綺麗事に過ぎないね。
みんながみんな本気でやってるわけがない。
なぜなら、アイドルという立場を利用して、何者でもなかった時はできなかったような、好きなことができるからね。
志したふりをしている者たちの大半は、アイドルがただ愛を振りまくだけでいいようになると思っていて…それが羨ましくて目指すんだね。」
「上手くいってる人達がどれだけ躓き、あらゆるものを捨てて、トップを目指してるのか…そんなことは、彼らからすればどうだっていいんだよ」
「っ…。」
否定なんてできなかった。
彼らは幾度もこの業界で苦しみ、惨めな目に遭って。
それは、誰にでもできたことでは無い。
"アイドル"は、人間だから。
数え切れない星々の中で、全ての星が注目されるのは無理だ。
「…どちらが君にとって、僕らにとって、業界にとって大事なのか。今1度考えてみるべきだと思うね」
日和さんは真剣な顔のまま、楽屋から出ていってしまった。
なにも…言えなかった。
怒られたわけじゃない。私の考え方は否定されたかもしれない。
けど見方を変えれば、私のプロデュースは間違ってないって、そう言ってくれたのかもしれない。
自分からしんどい目に会いに行っていたことには、違いなかった。
ジュンさんは心底気まずそうに頭の後ろを搔いた。
「あー…なんつーか。わかってると思いますけど、おひいさんは怒ってるわけじゃないッスから。気に病まないでくださいね。」
「…ありがとう、ございます」
ジュンさんは日和さんの後を追って、楽屋を出てしまった。
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楓(プロフ) - ななこさん» とても嬉しいです!!これからもご愛読頂けたら嬉しいです^^♡ (9月23日 0時) (
レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 面白すぎて一気読みしちゃいました( ; ; ) 更新これからも頑張ってください！ (9月5日 1時) (レス) id: cef98c867c (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - ニコさん» お待たせしてます〜！申し訳ないです！(;_;)すごく励みになります！不定期すぎますが気長にお待ちいただけるととても嬉しいです…！ありがとうございます！ (8月14日 1時) (レス) @page13 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 最新話きちゃ〜お疲れ様です！！相変わらず面白いです！！無理のない程度に連載頑張って下さい！！ (8月14日 0時) (レス) @page13 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
楓(プロフ) - 苺姫さん» コメントありがとうございます！大変励みになります！検閲のご協力ありがとうございます、訂正致しました！ (2022年12月7日 23時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：楓 | 作成日時：2022年1月5日 20時
