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11話 神像 ページ2

「アイドルは、アイドルだね。愛のようなものを届けたら、愛のようなものが返ってくる。それだけだね」

真剣な表情でそう告げられる。

心臓がどくんと鼓動した音が、一瞬、強く響いた。

日和さんは、サマーライブの合同練習の時も、「ファンからは愛のようなものが捧げられる。それが欲しくてアイドルをしている。」と述べていた。

「Aちゃんは、僕たちが人生を彩ってくれたから、神のようなものだと思っているんじゃないの?」
「ち…ちが…」

「もしくは無意識に、心のどこかではそう思ってしまっているとか。アイドルは神の贋物(レプリカ)だと。だから、些細なことでつまづく彼等に、そんなものでは神に近づけない、って、思っちゃってるのかもね」

「…アイドルっていうのは、偶像なんじゃないんですか。ファンにとって、アイドルはどこまでも、崇拝の対象で」

「違う。僕達は生身の人間だね。悪いところがひとつも無いはずがない。アイドルは普通の人に夢や希望を与えるための人間で…」

怒るような事じゃなかったのに。
日和さんが言っていたことは、間違いなく正しかったのに。
反論されたのが癪に触ってしまったのか、自分でもよくわからないまま大声を上げていた。

「夢とか希望を届ける人になる為の努力は、人一倍じゃ足りないんじゃないですか!!」

最悪だ。自分から声を荒らげておいて。悩みを聞いてもらっておいて。逆切れして、当たるなんて。

「日和さんや、ジュンさんみたいに…目標があって、必ず叶えたい夢があって、頑張る理由があって、その上で努力することも出来て、なんて。皆が皆出来るはずないです」

「…僕たちアイドルは、みんなで横一列に並んで手を繋いで、お遊戯をするような、ただ崇高を受けるような、生ぬるいものではないね。この社会と同じで、できる人は上がって、ダメな人は落ちていく構造だね」

ジュンさんは黙って聞いている。
私たちの意見どちらにも反応を示さず、ただ、黙聴してくれている。

「出来ない人も同じようにできる権利はある筈だって思ってるなら、考え直すべきだね。君も、夢ノ咲で起きたことを知ってるんじゃない?」

夢ノ咲学院で起きたこと。
…知らないはずがなかった。

Eveに、日和さんに、ハマってから、色んなことを調べた。
Fineの時の日和さんの活動も、もちろん調べた。

当時はよくわからなかったけど、今思い返すと、

夢ノ咲学院のアイドルたちは、まさに"戦争"をしていたとしか言いようがなかった。

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設定タグ:あんスタ , 巴日和 , Eve   
作品ジャンル:恋愛
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(プロフ) - ななこさん» とても嬉しいです!!これからもご愛読頂けたら嬉しいです^^♡ (9月23日 0時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ななこ - 面白すぎて一気読みしちゃいました( ; ; ) 更新これからも頑張ってください! (9月5日 1時) (レス) id: cef98c867c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - ニコさん» お待たせしてます〜!申し訳ないです!(;_;)すごく励みになります!不定期すぎますが気長にお待ちいただけるととても嬉しいです…!ありがとうございます! (8月14日 1時) (レス) @page13 id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)
ニコ(プロフ) - 最新話きちゃ〜お疲れ様です!!相変わらず面白いです!!無理のない程度に連載頑張って下さい!! (8月14日 0時) (レス) @page13 id: 3cff96fe75 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 苺姫さん» コメントありがとうございます!大変励みになります!検閲のご協力ありがとうございます、訂正致しました! (2022年12月7日 23時) (レス) id: a194f605ec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2022年1月5日 20時

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