5.いいわね ページ5
「え……」
リエはごくりと息を呑んで、自分も青白くなった。本当にゼンが泣き出すのか、と思ったからだった。だがゼンはぷはっと息を吐き出すと、新しい空気を取り込んで元の表情に戻った。時々、ゼンはひやっとさせる事をする。
それからゼンはインスタントコーヒーを一口飲み、会議テーブルに置いてあった輸入品の菓子・煎餅をぼりぼりと食べた。長い脚を上に出してきて、体育座りに近い体勢でリエに向き合う。仕事中の打ち合わせにしては、くつろぎすぎである。
リエもゼンの人柄は良く知っているが、仕事中にアットホームのような雰囲気を醸し出されると流石に腹が立った。
自分も負け地と煎餅やらあられに手を出し、ぼりぼりと音をたてて咀嚼する。
「赤ちゃんってきっとさ、自分の訳が分からないことが起こると怖いんだよ。だから、俺はこれを作ったんだ」
「なるほど?」
「どう、売る気になっただろ? 意欲、高まったろ」
「うーん……」
どっちみち、二百五十万ギルも無駄に出来ないから売るつもりでは最初っからいる。問題は、これをどうやってプロデュースするかなのだ。
リエは首を傾げながら十秒ほど思考した。そして、ようやく仕事モードに入った。
「確かに、子供って訳が分からないことを不思議がるっていうより、パニックになっちゃう傾向があると思うのよね、私も。そこには賛同してあげる」
「おう、さんきゅー」
「原価は二百五十万ギルね。
それだけの資産がある家なら、召使いでも雇ってる生活をしていそうだけど、子供は自分のもとで育てたいって人もいない訳じゃない。
そういう方たちをターゲットにしていけば売れるんじゃないかしら。忙しい日の、たまにある手抜きってキャッチ」
「うん」
「それで、この機械、操作は簡単なのかしら。親は子供に時間を割いてあげたいわよね。機械の操作が難しくて時間をかけてるようじゃダメよ。
それと、起動の時間とかも遅いのは駄目」
「起動については、スマートフォンみたいにスイッチひとつだ。充電も家電用コンセントで出来るようにはなってる。
操作はまだリモコンみたいな番号でするコントローラーなんだが、いずれは音声認識を導入しようと思ってる」
「ふむふむ、いいわね」
「番号でパンツをどれくらいの時間で履かせるかとか、暖かいのを履かせるとか、色々細かいことまで調整できるようになってるんだぜ」
「あら、良いと思うわ」
「それでさぁ……」
6.実験体にならなきゃいけないんだよ→←4.余裕で買えてしまう
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します!レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー! しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作成日時:2016年11月24日 22時