37.憤怒 ページ38
「リエの言うことは……、リエの言うことは間違ってる。
社長とか、会長とか、そいつが一番えらい訳じゃない。
地位と名誉があるやつが一番えらい訳じゃない。それは信用の話だ。
リエ、お前が一番よくわかってるはずだ。
ファーフ・オークションは皆が平等なんだ、多数決もとらない場所だ。
優れた発言やアイデアがここの全て。誰にだってチャンスがある。
それを築いてきたのはお前の愛した親父さんだろう!!!!」
「出て行って。それは過去のやり方よ」
「この野郎リエ!!!!」
リエが出て行って、と他所にも聞こえるような大声で吠えた瞬間、社長室にスーツを着た屈強なふたりの男がずかずかと歩いてきた。
ゼンよりも筋骨隆々とした逞しい姿をしている。
背広の一張羅にはなんの飾り気もなく、ただ骨と筋肉の盛り上がりで陰影がある程度だ。
ファーフ・オークションを警備する人間は、リエのいうことに忠実である。
ゼンは軽々とつままれ、社長室を強制的に追い出されたのであった。
〇
「なぁにが新人教育だよ! そこ一点に力を集中させる気かよ」
「ゼンさま、ひどくお怒りですね」
ゼンは延長コードを使い、誰にも使われていないコンセントから電気を引っ張ってきた。
リエに託されたクニというロボットは未だ回収されずゼンの元にあった。
ただリエが回収し忘れているのか、もともと必要のないものであったため回収されないでいるのか。
またまた監視か? 監視カメラの役目でもあるのだろうか?
いや、そんな性能はクニにあるのだろうか。
とにかく、クニはゼンのいる作業部屋にいるのだ。
電動ドライバーを使って制作キットを作っているようだが、怒りと不満からかいつもより手際に力がこもっているように見える。
クニはテーブルの上に湯飲みをひとつ置いた。
濃いお茶がはいっていて、ふわりふわりと湯気が立ち昇っている。
ゼンはクニのことをお茶くみ係とでも思っているのか、ただのロボットだと思っているのか。
募る不安を歯に衣きせぬ言い方で暴露したのである。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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革ベルト
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します!レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー! しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイチェル・ハジェンズ | 作成日時:2016年11月24日 22時