３２．不毛 ページ32
「ゼン様、アイデアはまとまりましたか？」
「うーん、なんつーか、まとまったっつーか……」
「まとまったのですね、よかったです」
「いや、まとまったというかまとまってないというか」
「？？」
ゼンは鉛筆をくるくる回しながら、自分の後方に立つアンドロイドと顔を合わせるために首を捻った。
リエの代理だというアンドロイド、クニはゼンの監視役だ。
すぐに自分の行動に走ってしまうところがあるので、ゼンに仕事を集中させるようにするには誰かが監視しないといけないのだ。
「これ、コーヒーです。そろそろ眠気がくると思いましたので」
昼ごはんをたべて１時間後。確かに眠くなってくる時間である。
普段はリエがひとり分だけを持ってきて、自分のパソコンの前に座る。
目の前にいたゼンがそれをみて、コーヒーいいなーと思いながら自分の分をくみに行くのだ。
リエが自分の分をくんできてくれないかなー、と思ったこともあるが、関係性は仕事仲間である。
いくら自分の面倒見役だからと言って甘えたり我儘いったり、それに年下に物を頼むことも躊躇われるので言ったことがない。
だから、目の前に置かれた他人のいれたコーヒーが新鮮だった。
「おや、可愛らしいデザインですね」
「ああ、一応な」
ゼンはすべての設計書を取っ払い、改めて一枚のデザインを描いていた。
透明なプラスチックの入れ物もあるけれど、木のデザインもある。
つるりとした円柱のデザイン。
そこには小さな蛇口がついていた。
「ここからお菓子の元になるパウダーとかでてきたり、ジュースとかでてきたり。
なかが６つに区切ってあってさ。
どっかのショッピングセンターとか、テーマパークにいいかなーって。
木のデザインだったら、ジュースとかでてきたら可愛いかもしれないし。
ここからラーメンのスープでてきてもいいしな」
「ラーメンのスープ、ですか。ドレッシングでもいいかもですね」
「美味しそうだな。なにも食べ物だけじゃなくてもいいけどな。絵具とか。
洗浄もしやすいような素材と構造にして……でもなんか地味だよなぁ、これもパスか」
「…………」
ゼンはさっきからこんな感じだ。
過去のデータからゼンの商品はもっと斬新であると分かる。
アンドロイドはぼーっとゼンのことを見つめていた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 5人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します！レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (
レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー！ しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レイチェル・ハジェンズ | 作成日時：2016年11月24日 22時
