４．余裕で買えてしまう ページ4
リエが社長の仕事に振り回されて、ゼンとのコミュニケーションを図れていなかったのも、“自動でパンツを履かせる機械”が誕生した要因ともいえる。
ゼンにあれ欲しい、あれ調達してきて、あれ買ってこれ買ってと指示されるがまま、淡々とそれを取り寄せてしまった自分も悪いと思っているのだ。後悔しているのだ。
「リエ、俺はこの機械を作るのに四週間を費やした」
「四っていうより一って言ったらどうなのよ。言い方の問題には釣られないんだからね」
「四週間……つまりは一ヵ月と二百五十万ギルを費やした」
「ポルシェが余裕で買えちゃう値段よね」
リエは頭を抱え込みながら、ゼンから渡された一枚の紙を見た。そこには工具を使ったことで発生した電気料金と、材料費の一覧が表になっており、一番下にはその金額の集計が表示されている。
ゼンの言う通り、二百五十万ギルもの費用がかかった力作だ。
リエの言った通り、高級外車のポルシェが余裕で買えてしまう値段だ。
「つまり、俺にはここまでして作りたい熱意があったんだよ」
「自動でパンツを履かせる機械を作る熱意ってなんなの。変態なの？ ドＳなの？」
「まあ話を聞いてくれ。俺の弟なんだが、嫁さんが三つ子を妊娠したらしいんだよ。一番大変なのはおしめを変える時間なんだけどよ、三つ子だから粗相をするタイミングも一緒で、同時に三つも変えなきゃいけないし、おしめを変えてる最中にも出すってことがあるらしいんだよ」
「……でしょうね」
リエは汚い話になるから聞きたくもないとも思ったし、自分も赤ちゃんの頃はそういう汚いことをしてもらっていたので申し訳ない気持ちで一杯にもなったし、作った限りは売らなければならないので今後どうプロデュースしていかなければならないかの参考にもなるだろうということで、なんとなくは耳に入れていた。
「最初は魔法の力でやってたらしいんだけどよ、おしめの取り換えを。だけど、子供って魔法のこととか何も知らねーじゃん？ だから、おしめが急に変わると、こんな顔するんだとよ」
リエは顔を上げて、ゼンの顔を見た。
ゼンの整った顔が歪み、少し青白くなった。ウジ虫の産卵の話を聞いた時のような、気持ち悪い顔色になっている。五秒後にはぽろぽろ、大粒の涙を流して泣き出しそうな顔だった。
- 金 運: ★☆☆☆☆
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ラッキーアイテム
革ベルト
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しまくろしるる(プロフ) - レイチェル・ハジェンズさん» はい、のんびり応援します！レイチェルさんも自分のペースで書いていってくださいねー (2016年11月27日 0時) (
レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
レイチェル・ハジェンズ(プロフ) - しまくろしるるさん» うぎゃー！ しまくろしるるさん、御無沙汰しております。読んでくださり、ありがとうございます。頑張って書いていくので、楽しんで読んでもらえると嬉しいです。 (2016年11月25日 21時) (レス) id: f158aaa837 (このIDを非表示/違反報告)
しまくろしるる(プロフ) - 新作おめでとうございます!!すごく面白そうなので楽しみにしてます!! (2016年11月25日 20時) (レス) id: 5ed7260065 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイチェル・ハジェンズ | 作成日時：2016年11月24日 22時
